顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

法被衣選  第19回 選句・選評

 法被衣選  【 33.5.19.36.17 】



●33田植えおえ童話のごとき空と山

田んぼにうつる夕景?青空?いずれにしてもここには

ことばでは言い表せない美しい世界が広がっています。

仕事を終えた充足感も伝わってきます。



●5打ち水やえいとぞ放つわが憂い

何となくぼんやりではなく、気合が入ったうち水。

単なる現象ではなく心象が詠み込まれている句だと思います。



●19オープンカージャズを飛ばして夏の海

開放感満点です。実に爽快です。

夏の海のオープンカーは結構暑いんですけどね。



●36からみつく細い命のごうやかな

ごうややへちまのバネのような弦、

びよよよ~んという音が聞こえてきそうです。

その光景が細い命という表現で目の当たりに浮かんできます。



●17幼子と貝慈しむ夏の海

波打ち際の砂浜。しゃがんでみるきれいな海と大きな空。

誰しも記憶の中にある光景のような気がします。








その他気になった句

1 早起きの庭に打ち水恩師来る 


礼を尽くして恩師を迎える、そんな風景でしょうか。

打ち水をするところは露地かな?とか考えてしまいました。




21鮎を食ふさあて六十路の折り返し


鮎も一年の折り返しあたりがシーズンですね。

語呂が不思議と心地よいです。



3少年の水打つ柄杓ほうり投げ  

これはすっぽ抜け状態?でしょうか?



13夏の海ビキニが似合う頃もあり

夏の海ビキニが似合う頃ありき?と回想中?



14山越して目に付き刺さる夏の海


峠を越えた瞬間に眼前に広がる海の景色。

付き刺さるの表現がちょい過激でしょうか?


 
24名物の鮎飴色に炊き上がり

実にうまそうです!思わずごっくん。



27しなやかに人形夢見鯉泳ぐ

鯉ではなく鮎?ちょっと状況が不明です。

その他ストレートに詠んだと感じる句がけっこうあったように思います。

私にとって俳句はことばの写真。

写真も何を撮るのか、意志を持ってシャッターを押す場合が多いと思います。

兼題は写真のテーマ、どう写し込むかは毎回悩みの連続ですが、

それが実に楽しく、生活を豊かにしてくれていますです、はい、くっ^0^)

・・・いろいろ生意気言って申し訳ありません。





法被衣作


 7打ち水や鼻緒濡らして泣く子かな【法被衣】

 25鮎焼ける間合いを埋めし川の音【法被衣】

 15夏の海尻濡らしつつ子守かな【法被衣】

 35薄闇に額あじさいの時満つる【法被衣】