J次郎2選 【3.15.21.29.40】
●3 少年の水打つ柄杓ほうり投げ
「お手伝い終わり!」言うがはやいか駆け出す男の子。
イメージがよく伝わってきます。
●15 夏の海尻濡らしつつ子守かな
山の民なので海を知らないのですが
なんとなくほのぼのした感じがいいですね。
●21 鮎を食ふさあて六十路の折り返し
お誕生日おめでとう。と言いたくなってきます。
●29 ビルの街鮎の焼き串郷土展
鮎、清流・・田舎と連想するところを
都会に置き換えたところが、場面の転換になっててよいです。
●40 待ちぼうけ空を仰げば梅雨曇り
待ちぼうけの気分と、降りそうで降らない低い雲が
つながったイメージなので、情景に共感できます。
選句外ですが、気になった句は
6劣情に打ち水しきり在家なり
劣情って、その、なんですよね。
うーん、除夜の鐘代わりの打ち水ですか・・・
犬に水かけてるわけでもないですよね・・・
わかるようで、いまひとつ・・・
さてさて、
金子兜太(かねことうた)さんの
「俳句の作り方がおもしろいほどわかる本」中経文庫 を、読みました。
本、そのものにはあまり感心しませんでしたが
俳句の作り方、句会の部分で、JJ2にとって新しい言葉がありました
それは
「二人心(ふたりごころ)」で俳句を作る。です。
だれかに句を鑑賞してもらうと、思わぬ意味を見出してもらえたりする。
また、誰かの句に啓発されて、さらに新しい句を生み出すことができる。
独りよがりになったり、連想の行き止まりに苦しんだりするとき
誰かの句を読み、誰かの感想を聞くと、より発展した句を生み出せる。
それは、ふたりがかりとか、合作とか、協力とかではなく
あくまでも自分自身だけの句作ではあるのですが
その自分を押し上げてくれるなにものかが「ふたりごころ」であり
それは句会(たった二人だけの詠みあわせであっても)でなされるものである。
この句会には、「顧問」なんて偉いさんはいません。
でも、同じテーマで句作し、鑑賞してくれる仲間たちがいます。
投句して、選句して、終わり。ではなく
「二人心(ふたりごころ)」で俳句を作ってみようと思いませんか。
8打ち水にユンケル飲んだ庭の苔
庭の苔が水を含んで生き生きとしているのです。
その水をユンケルに喩えているのですね。
それをおもしろいと感じるのか、やや「川柳っぽい」と感じるのか
私は、そのどちらも感じてしまいます。
「おもしろい、んだけども、軽すぎるんじゃないの」と
勝手に改作
「養老の滝よと水打つ庭の苔」JJ2
J次郎2作
2窓越しに打ち水の音昏い居間【J次郎2】
20雨の間の空は澄んでる夏の海【J次郎2】
30たちふさぐ堰のしぶきや鮎は跳ぶ【J次郎2】
33田植えおえ童話のごとき空と山【J次郎2】
先月の題ですが
37チェンソーとまがうてウツギ蜂の群れ【J次郎2】
♪