● J次郎2選 【7 12 21 25 28】
7 揺りかごに眠る赤子や蓮の花
蓮の花の芯を赤子に、花びらを揺り籠に見立てたのがおもしろい。
もしかすると逆で、揺り籠に眠る赤ん坊を蓮に見立てたのかも。
そう、情景を連想させ捻らせるところをかいました。
12 提灯を先頭にしてねぶた来る
提灯を題にしたときに最初に浮かんだのは仙台七夕の竿灯。
それではありませんが、夏祭りの象徴としての提灯が目にうかびます。
21 短冊のなき風鈴や古軒端
錆のういた鉄の風鈴が見えるようです。ただ、季節は秋口に感じます。
もちろん季語的には夏なのですが。
25風鈴に歌わせている夜風かな
歌わせている、と素直に詠んだところをかいます。JJ2は
素直じゃないから、夜風に鳴る風鈴は「五月蝿」と詠んじゃう。
28 茄子の花素直に咲いていく日常
そのとおりですね。と反論を許さない静かな日常。
そしてその裏には「茄子と人は違う」素直にならない煩わしい日常がある
。
その、しずかな日常への憧れが詠われていると感じました。
他に気になった句は
6 白蓮や赤き橋もとすずやかに
白と赤の対比を詠おうとしてるのですが
「すずやか」がやや情景的に無理っぽい、ような。
すずやかに・・どうしたのでしょうか。
風に揺れてるのでしょうか?日陰を作っているのでしょうか。
それとも橋を渡る人のことだったのでしょうか。
17 縁台に鼻提灯も浴衣着て
うーん。情景は浮かぶのですが。・・・「も」がなぁ。
鼻提灯に浴衣は着せられないですよねぇ・・
18 ミスマッチ赤提灯に生ビール
ほんとうは、×にしたかったのです。
だって、赤提灯で生ビールって普通じゃないですか。
マッチしてると思うんだがなぁ。
それがミスマッチ・・赤提灯にはコップ酒ですか?
37 夢叶い初孫借りて夕涼み
同感同感。
●J次郎さんの作品
10 門提灯連なる先の盆踊り【J次郎2】
19 とりこまぬ風鈴ふいに夢はさめ【J次郎2】
1はらと散りうきくさのうみ蓮のふね【J次郎2】
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