顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

法被衣選  第23回

今回は皆さんの句にできるだけ一言を添えてみました。

本来は全部にコメントつけたいのですが、そこまで根性ありませんでしたあ。

ごめんなさいです。


●法被衣選【38、 46、 7、 13、 14】

38.飛び入りのこおろぎそっと部屋の隅

    部屋の中に迷い込んだ、迷い出た?こおろぎ、ことさら鳴き声が

    大きいです。

    マンション住まいでは味わえませんが、平屋の時はそんな事が

    ありました。

    ちいさなこおろぎに対する”愛”を感じます。

46.職退きて秋の夕ぐれ駅に立ち

    ことさら秋の季節が人を感慨深げにしてしまいますね。

    通勤時代を懐かしんでいるのか、ちょっぴりやるせないのか・・・。

    どんな気持ちで駅に立たれていたのでしょう。


7.新米に思い出してと宅急便

    新米を宅急便で故郷を離れた人に送る。
 
    息子さんなのか、娘さんさなのか、親心と里を持つ人の

    心情が伝わってきます。



13.父となる子の腕太し秋の暮

    赤ちゃんを抱いた男親の二の腕の逞しさを想像します。

    子ができる事で人は逞しさや優しさを増す、それを見

    ている方もいろいろ考える秋。


14.悪の華咲かせたころの吾亦紅

    自伝的俳句でしょうか?(笑)

    若い頃を懐かしみつつ現在の落ち着きぶりが詠み込ま

    れているような印象でどことなく茶目っ気を感じます。


■なぜか選外になってしまった句

43鞦韆のゆらり揺られて吾亦紅    

   鞦韆読めませんでした。検索してブランコと判明。秋千

   とも書くらしいです。 鞦韆が読めるとなんとなくいい感じです。


57.こおろぎの問わず語りを湯屋に聴く

   風呂にのんびり浸かりながら聴こえてくるこおろぎの鳴き声。

   木の桶、裸電球の時代にタイムスリップしました。

   昔は風呂場にもこおろぎがいましたっけ。

 
23.吾亦紅すっくと立つ修羅の後

    人は修羅場をくぐりぬけ、眼前の吾亦紅は泰然としている。

    我もこう、ありたいと。

    中句が字足らずなのがどうかと。


12.こおろぎの草より仰ぐ理想郷

    こおろぎの視点から世を見たところが新鮮に感じました。

    理想郷が何を示すのか・・・。



■その他気になった句

54.北向きの窓は深々碧き空

    順光の空はどこまでも青く見えますね。

    日を受けて輝く木々や家々の屋根もくっきり浮かんできます。


58.こおろぎの声を便りに帰り道

    帰宅途中、歩く先々後々でこおろぎの鳴き声。

    私も同じ状況を詠もうと思いましたが句になりませんでした。


5.新米や開ければふるさと匂うかな

    うれしい新米の匂い、ありますね。

    ふるさとから届いた歓びひとしおでしょう。

7.の事後談のようです。

    中句の字余り、下句の、かなが気になりました。

    動詞であれば匂うなり、でしょうか?


17.日中のこおろぎの背に落ちる汗 

    こおろぎは夜が普通ですが日中の姿ということで面白い

    視点だと思いました。

    草刈でしょうか、こおろぎがあわて逃げ惑う姿が浮かびます。


9.新米の香りにひかれ朝目覚め

   炊飯のいい香り、日本の朝の風物詩ですね。

   あ~、いい香りだあ、と目覚めた後は

   新米の香りにひかれ床を出る

   ことになりそうです。


10.新米を研ぎつつ思う水加減    

    新米はちょっと固めが私は好きであります。

    水加減でせっかくの新米がだめになっちゃうので気を使いますね。


11.新米の吹きこぼれたる香りかな  

    炊き上がるのが待ち遠しい瞬間。

    おこげもおいしいですね~。


15.色あせてみえる野末にわれもこう

    自分を重ねあわせている?いやいや、まだまだ。



16.無縁墓地ひっそり揺れる吾亦紅

    無縁墓地はそれだけでひっそり感があります。

    ひっそりの代わりにもっと言葉を捜せるかも知れません。

    例えば、かすかに揺れり、とか。


29.秋深し事を肴に酔っ払い

    秋という事だけで酒に親しんじゃう、とにかく飲みたいという

    事でしょうか^0^)

    深しで切れているので、事につなげるなら秋深き事を肴に、

    でしょうか。


36.こおろぎのだんだん遠くなる夕日    

    夕日が落ちて行くにしたがってこおろぎの鳴き声が近くなる

    ような気もしますがこれはどういう状況なんでしょう?


50.あと出しのチョキにしたそな菊の花

    殆どの菊がパーの中、チョキの花も混じっていたのでしょうか。

    咲き始めは皆グーなのかも^0^)
  

52.溜息を歌に託せやちちろ虫

    ちちろ虫がこおろぎの別名と初めて知りました。

    勉強になります。(って兼題者のいうことか?申し訳ありませんっ)




以上、皆様の俳句、毎回楽しませていただいております。感謝。



















第23回 法被衣の作品


 8.遠き道振り返りてや吾亦紅 【法被衣】

19.新米を炊いてぐるりの笑顔かな 【法被衣】

30.新米に両手合わせて夕餉かな 【法被衣】

41.本を閉じふとこおろぎの鳴き止みし 【法被衣】

56.カラス二羽秋の夕暮れ空を行く 【法被衣】

59.駅弁の箸休めてやいわし雲 【法被衣】