顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

歌子選

歌子選  【4、7、15、20、39、51、62】

 4 追伸に二行を足して肌寒し
 
   いただいた手紙ともとれるが、文法的にみて、こちら
   からの手紙。いただいた手紙なら、もっとすとんと胸に
   落ちるような気がしたが、きっと何か断りの内容なのだ
   本文にストレートに書けないので、さらっと追伸にかき
   たしている。そんな自分への苦い思いが、肌寒しと重なる。
 
7. 肌寒き朝に家猫伸びひとつ 
 
   家猫がのびをしている何気ない句だが、肌寒きとあるのに
   なぜかぬくぬくと幸せなあったかい空気が伝わってくる。
   室内があったまらないと、我が家の猫はこの季節、布団から
   出てこない。きっと床暖のあるあったかい家なのだ。
   
   
15  鍬置いて煙草一服草紅葉 

   農作業を終えて、作業着の胸ポケットから、煙草を一本取り
   出してふ~~~っと紫煙をくゆらせている農夫の姿が目に浮かぶ。
   「鍬を置いて」と、あえて鍬を出したところに、農業生産者である自負
   と誇りが感じられ、みなれているはずの草紅葉に眼をやったところに、
   創造主の加護のもとにある感謝と平和を感じさせる。
   
   
20 石垣にくの一忍法草紅葉 
   
   石垣と石垣の間の草紅葉をくの一忍法とは、なかなか
   思いつかない。おもしろい。石垣の草紅葉をみるたびに
   この句を思い出しそう。
   
   
39 切り株に夜露宿して星月夜
 
   夜だから夜露は当たり前なのだけど、「夜露宿して」が
   たまらなく美しい表現で惹かれた。
   
    
51 星月夜少し切り取り皿に盛る

  星月夜を切り取るとは、ちょっと奇抜な表現だが
  皿に盛ったのは、いろんな具がちりばめられたピザかしら
  それとも、いくらや卵やさいのめ切りのサーモンをちらした
  ちらし寿司かも。あー食べたい。
   
   
 
62 きのこ採り見つけて声の押黙る
   
  きのことりの心境がわかるようで、ふふふって笑える。
  マイタケの(いやなんでもいいんだけど)大きな塊を見
  つけてしまったのだ。思わず、息を飲み叫びたいのをぐっと
  噛み殺して、採取しているそんな姿が目に見えるようだ。
  
  
   
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歌子の今月の作品
 
6.肌寒や一人いる家の広きこと
 
19.雀群れ淑女も群れて草紅葉
 
32.黙々と夫の背中や落花生
 
45.幾万のみたまさざめく星月夜
 
57.振り向けばたれの呼ぶ声金木犀