顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第72回  歌子選&作品

歌子選  (6,13,14,15,19,20,27)
 
6 どっちかとどんぐり握る児のこぶし
      幼児が大好きな「ど~~っちだ?」の様子が 目に見えるようです。
    幼児の手は小さいので、ふくらみですぐわかってしまうのですが
    こっちはわざと、どっちかな~~~~って演技します。子供のかわいく盛り上がった
    こぶしが目の前に見えてくるようです。

 
 
13 茶の花や遠くに笑みの老夫婦      
     「遠くに」が気になりますが、作者は笑みを交わしあう
     老夫婦への感動を描かれたのですね。夫婦してほほえみ交わすなんて
     もう遠い昔話になってしまったのは、私だけかしら。感動表現はちょっと希薄な
     感じもしましたが、老夫婦のあり方にほのぼのとしたものを感じました。

 
14 茶の花の奥に浄土の光かな     
      まだ開ききらない 白い花の中からのぞかせている黄色い蘂(しべ)
     を浄土の光と表したのでしょうか。浄土の光なんて、すごいですね。見えるものを
     見えない崇高な世界にまで引き上げている感じがしました。 
 
 
15 茶の花や職人揃ふ地鎮祭     
     地鎮祭に茶の花の白さ・・・季語の茶の花に、
     よく地鎮祭を持ってこられたものだなあと感心しました。
 
 
19 木枯らしへ向かう自転車低姿勢  
     自転車が低姿勢という表現に着目しました。
     吹きすさぶ木枯らしの強さがよくあらわれていますし、自転車に乗っている
     人の姿や表情まで目に浮かび、風の音さえ聞こえてくるようです。自転車に
     意志を持たせた表現が、特にすばらしいと思いました。
 
 
20 木枯に背を押されゆくポストまで 
      木枯に背を押されるという表現がいいですね。19の作品は木枯らしに向かっている様子
      こちらは、木枯らしに押されている。。。木枯らしに生き物みたいな意志を持たせていて
      とてもいいですね。

27 炉にかざす米寿の母の曲がり指   
      モデルは現在のお母様、そして背景は昔の炉のある風景。
      現在と過去をたった今の物としていきいきと見せてくれる
      油絵を見ているようなそんな作品だと思いました。
 
 
 
 
 
歌子の作品

木枯やひしと抱き合う始発駅     【歌子】
お下がりの服から団栗こぼれ落ち 【歌子】
手をかざし昔話の暖炉かな     【歌子】 
泣きにきて白き茶の花揺れ通し   【歌子】