⑥法被衣さん選 【5、21、20、19、18、24】
5 杖にあご乗せて翁の日向ぼこ
この景ののんびり感がなんともたまりません。
21 水底に命預けて破れ蓮
冬場の蓮の見えている部分の無惨な姿、
それでも見えない水中に命のエネルギーが眠っている、
鋭い視点に感心させられました。
20 バクと踏む朴の落ち葉の山路かな
とっても静かな山道を行く時、大きな朴の乾いた
葉っぱを踏む音が聞こえて来るようです。
19 菓子箱に小銭の数多冬温し
ちょっと厚めの菓子箱に小銭、何とも言えぬ懐かしさ
があります。近頃の菓子箱は頼りないです。
18 幼き日父の胡坐の温め酒
父上の胡座に乗っている光景が浮かびました。
お酒のにおいは嫌だけど父の温もりは心地よい?
24 定食の鍋奉行われ一人侘ぶ
一人での食事は侘しさもあるけれど、鍋の贅沢さ
を楽しむのもまたよし、というところでしょうか。