辛路さん選 (4,9,10,12,13,27)
4 夕間暮れ家族総出の田植かな
〈暮急ぐ時間と競うように、じいちゃんもばあちゃんも子どもも
家中かり出して田植を捗らせる光景をうまく書き留めた・.この
家族の絆の深さに心がやすまる〉
9 津軽路の田植始まる青さかな
〈津軽路はもうすっかり青かったのだ!平野部でも山間部でも待っ
てたように田植が始まった。 再生産の農期が最盛期、人々も
大いに活気づいてきた。〉
10 薫風や人工芝生に佇みぬ
〈人工芝生の真ん中に立つ作者を包むような薫風の心地よさを際立せ
てみせた。〉
12 薫風や深々眠る岬馬
は上手い。配合の妙味がある〉
13 薫風に包まれて行く鎮守かな
〈一応採らせて頂いたのですが、薫風という季語が物語ることを言葉で
述べてはいけません。 (中七の包まれていく は、余分ではないで
しょうか)ご一考を。〉
27 金魚売り遠くに聞こゆ逢瀬かな
〈この句も頂きながら気になる点が(○○売り遠くに聞こえる・は
もう手垢がつくほど
使われていますね。ただ逢瀬との取合せは面白かった。〉
選外に置いた句にも 気になる箇所が散見されます。ので後で少しだけ述べさせて戴きたいと
存じます。失礼の段はご容赦ください。 辛路