顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第142回 顧問のいないネット句会 10月句会(選句)

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①祥雲選【9、◎10、15、16、18】 

9 嵐去り爽やかな空果実堕つ

景が鮮やかに巧みに表現されている良句です。

 

◎10 爽やかや何を言いひても笑う母

哀愁を帯びた「爽やかや」で、慈愛に満ちた、現実感のある斬新な良句です。

 

15 せせらぎに血の色映す曼珠沙華

曼珠沙華の特徴を巧く表現した良句です。

 

16 数珠球や端布で手玉作る姉

お手玉を作る様子の句。懐かしく思い出させて頂きました。

 

18 秋の虹我も万歳即位の礼

見事な虹でしたね。大いに共感できる良句です。

 

②法被衣選【1、7、4、◎14、18】 

1フィリリリの澄む音ゆかしや草雲雀

コオロギに草雲雀という名があるのを初めて知りました。ことばとの新しい出会いの句会に感謝です。中七が少々説明的?

 

7爽やかやほわと広がるくらげ雲

くらげ雲、見た記憶がありませんが、実際目にしているのかも知れません。句会を通じて世界を見る注意力が増すのも人生豊かにしてくれます。ありがとうございます。

 

4堅苦るし話をよそに虫時雨

人は社会的動物、夜まで物事の段取りや予算等の堅苦しい話をしているのに、虫たちは自然体で秋を謳歌している景は少し滑稽だったり風刺的だったり。作者の目の付け所に感心します。

 

◎14赤の濃きリンゴと残りのカレーかな

どういうシーンなのか想像を逞しくしないとわかりづらいですが、日常が鮮やかに映像化されていて見事です。

 

18秋の虹我も万歳即位の礼

ただただ清々しい行事となりました。

 

③歌子選【9、10,13、14,16】

9、嵐去り爽やかな空果実果つ

激しかった昨夜までの風雨がやみ、翌朝には何事もなかったかのような青空にほっと明るい気持ちになったものの、風雨に振り落とされた果実が無残に広がるニュースの映像にやりきれない思いになったあの日の記録。胸が痛いです。

 

10.爽やかや何を言いても笑う母

私の晩年の父も、こちらが何か言うと、笑うか泣くかの反応でした。切ないという感情を通り越して「爽やか」の表現に母へのいとおしい思いが伝わってきます。

 

◎13   嵯峨菊を売る大原女の声ゆかし

きいたことも見たこともない情景ですが、気品漂う花、菊の香、ゆかしい声、大原女の姿、視覚にも聴覚にも臭覚にも働きかけられ、映像を見ているような気にさせられました。

 

14.赤の濃きりんごと残りのカレーかな

カレーとデザートのりんごの色の対比を描かれたのですね。

 

16.数珠玉や端布で手玉作る姉

昔、大豆や小豆などもいれて炉端で母や姉たちとお手玉

作った日のことを懐かしく思い出しました、

 

④一駒選【4、7、9、15、18】

4、堅苦るし話をよそに虫時雨
深刻な話も虫の声で深刻さが薄くなる


7、爽やかやほわんと広がるくらげ雲
長閑な気分になる句


9、嵐去り爽やかな空果実堕つ
がっかりだね


15、せせらぎに血の色映す曼珠沙華
血管がドクドク流れて見えたんだね


◎18、秋の虹我も万歳即位の礼

見事な歴史的虹でした

 

⑤牛郎選【6、9、13、18、】

6、恋の夜声の限りや虫すだく     

子孫を残すための競争に  

 

9、嵐去り爽やかな空果実堕つ     

台風一過の爽やかさに果実農家はがっかりっです。

 

13、嵯峨菊を売る大原女の声ゆかし    

京都大原の光景が浮かびます。

 

◎18、秋の虹我も万歳即位の礼       

当日は朝から東京は荒れ模様の天気に心配していたのですが夕方のニュースで虹が出ていたのに安心しました。