顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第148回顧問のいないネット句会4月句会 (作品、選句、感想、作者名) 

番号      作品

    

1 一輪車の少女の肌や緑さす                【祥雲】

   牛 駒

2 三密を避けて一人の復活祭       【歌子】

3 手に重き銀のナイフや春の宵      【牛郎】

   

4 初蝶の高く飛びたり昼餉前       【法被衣】 

   牛 歌

5 疫病に閉じ込められた春の宵      【一駒】

   祥 法 駒

6 緑さす居間遠隔の授業の児       【歌子】

7 春宵や伊豆の湯宿の朱塗り椀      【祥雲】 

8 新緑や院を閉ざさる母遠し       【牛郎】

9 新緑やマスク外して深呼吸       【一駒】

10 窓越しの新緑屋内暗し        【法被衣】

11 何処に行く緊急事態鯉のぼり     【一駒】

12 店頭の独活の眺めるレジの列     【法被衣】

13 葱坊主打ち払ひたる篠芽竹      【牛郎】

    祥 牛 法 駒

14 遊楽を断たれ灯もなき春の宵     【歌子】 

    

15 この地球(ほし)を覆う疫病鬱の春   【祥雲】 

   ◎祥 ◎歌 ◎法

16 畔塗りや地下足袋乾く立ち話     【牛郎】

17 ウィルスの来襲に耐ゆ春の宵     【法被衣】

18 閉門で鴨に見られて咲く桜      【一駒】

   ◎駒

19 縦横に空を切り裂く燕かな       【祥雲】

   祥 ◎牛

20 終息の見えぬコロナ禍春愁い     【歌子】 

 

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          選 句 

 

 

祥雲選 【6、14、16、20】

6 緑さす居間遠隔の授業の児

現況が巧く表現されていて、季語が生きていると思います。

 

14 遊楽を絶たれ灯もなき春の宵 

現況が巧く表現されていて、「灯もなき春の宵」が良いと

思います。

 

◎16 畔塗りや地下足袋乾く立ち話

畔塗りをしたことがあるので、大いに共感できます。

地下足袋が乾くほどコロナの話などで立ち話が長引いている

のかも。

 

20 終息の見えぬコロナ禍春愁い

現況を巧く表現した良句です。

 

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牛郎選 【2、5、14、◎20】

 

2、三蜜を避けて一人の復活祭           

先週集落のお寺で行われる中陰百万遍数珠繰り行事が

コロナ禍で中止になりました。

 

5、疫病に閉じ込められた春の宵          

楽しみにしていた爺会も中止になりました。

 

14、遊楽を断たれ灯もなき春の宵         

高齢者の楽しみ外食、お店が休みで仕方が有りません。

 

◎20、終息の見えぬコロナ禍春愁い       

政府の判断間違えか?早く収まって欲しいものです。 

 

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歌子選 【4,5,15,16】

  • 4 初蝶の高く飛びたり昼餉前   
  • いま、外出ができにくい状況なだけに、ひらひらと春の風   に浮かれて飛んでいる初蝶の自由さに心奪われます。 
  • 5 疫病に閉じ込められた春の宵  
  •  疫病に閉じ込められたとの表現がぴったりすぎる今年の春。
  • 15 この地球(ほし)を覆う疫病鬱の春 
  • この地球という一言で、今の状況を言い表しています。    長い人類の歴史をたどると、時々得体のしれない疫病の蔓延  に苦しめられた時代が幾度かあるようです。その都度乗り越えてきていますか、世界中が情報交換しあいながら、乗り越える日がきっと来ると信じてはいますが、なんとも気の重い日々です。
  • ◎16 畔塗りや地下足袋乾く立ち話
  • 畔塗りをする途中なのか、最中なのか、立ち話が思いがけなく長くなって、地下足袋が乾いてしまったという、状況が生き生きと目に見えるようです。

 

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法被衣選【1、6、14、◎16】

 

1 一輪車の少女の肌や緑さす

動きや光が見えてきます。自粛ムードの中、明るい一句。

 

6 緑さす居間遠隔の授業の児 

当世自宅待機の光景。子も親もストレス溜まる新コロナ、です。

 

14 遊楽を断たれ灯もなき春の宵

こちらも外出自粛でやるせない街の様子。

遊楽は不要不急なのかちょっと。

 

◎16 畔塗りや地下足袋乾く立ち話

光景が映像として広がります。

爽やかな風や日差しも感じられ、時間経過も描かれている秀句です。

 

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あらまち一駒選【2,6,14,19】

 

2    三密を避けて一人の復活祭

教会も緊急事態宣言で礼拝もまばら、静かに1人祈る感が出て良い
 
6  緑さす居間遠隔の授業の児
新学期も始まったがコロナ騒動で家に隔離でも勉強せねば苦肉の策で画面を通じ勉強 
 
14 遊楽を断たれ灯もなき春の宵
家にいろ宣言で心も沈む感が出ていて良い

19 縦横に空を切り裂く燕かな(◎)
鳥達には通達なんか届かない、自由に生き生き生きてる感が出ていい