顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第150回6月句会 作品、選句、鑑賞(感想)、作者

     法

1  開帳の秘仏とうとし梅雨晴間     【祥雲】

     牛 駒

2  父の日や吾には遠き記憶かな  【法被衣】

     法◎

3  父の日やくの字の姿我が身にも  【牛郎】 

4  父の日に花だけ届けドライブに 【あらまち一駒】

     

5  父の日や航海日誌セピア色   【歌子】

     歌◎  祥

6  梅雨晴間スマホ掲げて風を撮る    【法被衣】

7  お見舞いはケーキに決めて梅雨晴れ間 【牛郎

    歌  祥

8  梅雨晴間波乗り一人海に入る    【あらまち一駒】

    

9  初めての接吻に似てさくらんぼ   【歌子】

10 おさなごの赤いほっぺやさくらんぼ 【祥雲】 

    歌  祥◎  法

11 ギヤマンに透ける日差しやさくらんぼ 【牛郎 

12 空の下太宰を読んで桜桃       【あらまち一駒】

13 梅雨晴れ間ペンキ塗りたて小さき庭 【歌子】

    駒

14 むらさきの白根葵や夏の尾瀬     【祥雲】

    牛◎

15 さくらんぼ写真に遺(のこ)す艶やかさ【法被衣】  

    歌

16 父の日やボルドーワイン飲む夕べ    【祥雲】

17 蝸牛ベストショットはゆるゆると    【法被衣】

18 母の手の短きクレヨン天花粉     【牛郎

    

19 紫陽花や小径にふたり雨あがり   【あらまち一駒】

    牛 法 駒◎

20 自粛明け友と連れ立つ夏の宿     【歌子】 

 

    選句・鑑賞・作者

 

  歌子選 ◎6,8,11、16  ​​​​​​​

 

◎6  梅雨晴間スマホ掲げて風を撮る

 梅雨晴間にスマホを掲げて花の撮影かなと思ったら「風を撮る」と

 は意外な言葉がポーンときて、心打ちぬかれました。

 

8  梅雨晴間波乗り一人海に入る    

梅雨が晴れたとたんに、サーファーが海に入っていく様子、「一人」に待ち切れなかった思いが伝わってきます。

 

11 ギヤマンに透ける日差しやさくらんぼ    

ガラスの器にさす日差し、その器に盛られたさくらんぼ、光や美しい色合いが目に浮かび、絵心はないですが、こういう静物画を描いてみたくなりました。

 

16 父の日やボルドーワイン飲む夕べ    

お子から送られてきたワインでしょうか。感謝と祈り心を温めながら、ワインを手にしている姿が、洋画のワンシーンのように浮かび上がりました。

 

  祥雲選 5、6、8、◎11  

5 父の日や航海日誌セピア色

セピア色をした父の航海日誌を読みながら、懐旧に浸っている様子が良いと思います。

 

6 梅雨晴間スマホ掲げて風を撮る

「風を撮る」が秀逸で、「梅雨晴間」と響き合っていて、良いと思います。

 

8 梅雨晴間波乗り一人海に入る

湘南の海で一人波乗りをしている景でしょうか。

季語と合っていて良いと思います。

 

◎11ギヤマンに透ける日差しやさくらん

ヤマンに盛られたさくらんぼに差し込む日ざし。

綺麗で静謐な感じのする良句です。

 

 

 牛郎選 2、◎15、19、20  

 

2、父の日や吾には遠き記憶かな     

母の日と比べる吾には遠き記憶かな、なのでしょうか?

 

◎15、さくらんぼ写真に遺す艶やかさ    

遺すを使われたのが艶に関係した女ごころに魅かれました。

 

19、紫陽花や小径にふたり雨あがり    

ありふれた光景だと思うのですが、紫陽花、小径、ふたり、雨あがりがピッタリ。

 

20、自粛明け友と連れ立つ夏の宿     

経験のない自粛、早く終息宣言が出る事を願っています。

 

 法被衣選 1、◎3、11、20 

1 開帳の秘仏とうとし梅雨晴間

うっとうしい雨模様の中、仏の加護か束の間の晴れ間のすがすがしさを感じます。

 

◎3 父の日やくの字の姿我が身にも

年を取らないとわからない年寄りの特権。

否定できない親子の縁の味わいがあります。

11  ギヤマンに透ける日差しやさくらん

ガラスの器に盛ったさくらんぼ、なんとも美しい。

作者の確かな観察眼。

20 自粛明け友と連れ立つ夏の宿

コロナ禍で味わう久々の解放感。

まだ安心できません。

当世ならではの句。

 

 あらまち一駒選 2、9、14、◎20  

2  父の日や吾には遠き記憶かな

もういない父を忍んでいい句

 

9  初めての接吻に似てさくらん

さくらんぼって確かに接吻の感じだ

 

14 むらさきの白根葵や夏の尾瀬

尾瀬に行きたい歩きたい

 

◎20 自粛明け友と連れ立つ夏の宿 

宿に泊まりたい