1草餅を近所のばばの笑み持て来 【祥雲】
2草餅やかほりとともに腹を満つ 【法被衣】
3あぜ道に蓮華草摘みプレゼント 【一駒】
牛
4 ケーキより草餅好きな婆ちゃん子【歌子】
駒
5草餅や氏神様の笛太鼓 【牛郎】
祥
6ハンガーの洒落た鳥の巣七つの子 【歌子】
7嫁ぎ先草餅土産ただいまと 【一駒】
8青ぬたやこどもの頃は苦手なり 【法被衣】
歌
9げんげ田に犬と戯れ寝転びぬ 【祥雲】
10青饅や竹輪と和へる母の味 【牛郎】
11鳥の巣や雛の頭の五つ六つ 【祥雲】
12初孫や桜の下で肩車 【一駒】
法 駒 祥
13げんげ野に画版広げるベレー帽 【歌子】
歌 法 ◎祥
14石仏も子らと同じに紫雲英の輪【牛郎】
15一直線紫雲英の海に消える道【法被衣】
16鳥の巣や庭木の中でヒナの声【一駒】
法
17文鳥の巣穴となりし稲の束 【牛郎】
◎駒
18青ぬたや母の形見の有田焼 【祥雲】
19鳥の巣に住人を待つ里の人 【法被衣】
20青ぬたや特濃酢味噌和えが好き【歌子】
◎法 牛
21見晴らせば末黒野(すぐろの)におう草千里
【祥雲】
歌 駒 祥 牛
22初蝶や土手の散歩の友となり 【法被衣】
◎歌
23青饅のレシピの中で笑う母 【一駒】
◎牛
24 旅立ちの背に風花のしきりなる 【歌子】
25鯱の出歩きそうなおぼろ月 【牛郎】
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3月の選句がそろいました。(語句の間違いや選句番号ミスなどないかどうか、まずはご自分の作品選句をお確かめくださるようお願いいたします。)
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選 句 と 感 想
①歌子選【9,14,22,◎23】
9 げんげ田に犬と戯れ寝転びぬ
誰もいない紫雲英の野原で犬を放って駆け回り、勢いで寝転んで春の陽の匂いに包まれている、そんな情景が懐かしい思いとともに浮かび上がってきます。
14 石仏も子らと同じに紫雲英の輪
絵本を見ているようななんてメルヘンチックなかわいらしい情景でしょうか。
22 初蝶や土手の散歩の友となり
蝶がひらひらと自分についてくるのか、自分が蝶を追いながら歩いているのか、のどかで平和な時間がゆるやかに流れています。
◎23 青饅のレシピの中で笑う母
レシピの中で笑う母という表現が独創的で素敵です。。
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法被衣選【13,14,17,◎21】
13 げんげ野に画版広げるベレー帽
イーゼルではなく画板からしゃがんでいる絵描きさんの姿が浮かんできます。近景と遠景、風景と人との対比が面白いと思います。
14 石仏も子らと同じに紫雲英の輪
こどもたちの仕業か野のお地蔵さんの頭に蓮華草の花輪が飾られている昔話のような懐かしくもほほえましい光景。
17 文鳥の巣穴となりし稲の束
積んである稲わらの隙間から文鳥がひょいと頭を出す光景をみつけた作者の観察眼に感心します。
◎21 見晴らせば末黒野(すぐろの)におう草千里
野焼きの後のいぶされた香りとともに雄大な阿蘇の草千里が目に浮かびます。
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一駒選【5、13、◎18、22】
5草餅や氏神様の笛太鼓
祭りと草餅楽しい連想が心地良い
13げんげ野に画版広げるベレー帽
美しい風景を描いたと想像させる句
◎18青ぬたや母の形見の有田焼
全てが母につながる素敵な句
22初蝶や土手の散歩の友となり
蝶のヒラヒラに目も心も奪われ楽しそうな散歩を想像する。
祥雲選【◎14,6.13,22】
◎14 石仏も子らと同じに紫雲英の輪
子供たちが紫雲英で作った環飾りを石仏にも被せた景でしょうか。
懐かしい心和む景。
6 ハンガーの洒落た鳥の巣七つの子
烏の巣でしょうか。烏はハンガーを銜えて持ち去り、上手に巣を作ります。 白や青のハンガーで、組みあがっている巣を見たことがあります。
13 げんげ野に画板広げるベレー帽
ベレー帽の画家が紫雲英野に画板を広げて絵を描こうとしている景か。穏やかで美しい景。
22 初蝶や土手の散歩の友となり
散歩の友は紋白蝶か紋黄蝶か。嬉しさ滲む心和む景。
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牛郎選【4、21、22、◎24、 】
4、ケーキより草餅好きな婆ちゃん子
微笑ましい句に成りました。
21、見晴らせば末黒野のにおう草千里
阿蘇の草千里展望台から見た広大な風景蘇えります。
22、初蝶や土手の散歩の友となり
ゆったりとした時が流れる句に一票。
◎24、旅立ちの背に風花のしきりなり
記録的な大雪だった今年、よく晴れた旅立ちの日。
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こ