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青龍を追うやうずしお奈落へと |
祥雲 |
2 |
さえずりや口笛使ひ呼びかける |
丑郎 |
3 |
えんつこ(嬰児籠)に座してほっこり座禅草 |
歌子 |
3 並選 |
(祥雲選)座禅草の特徴が巧みに可愛らしく表現されています。 |
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3 並選 |
(丑郎選) えんこつ?調べてみると納得の句に関心、賢くなりました。 |
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4 |
花筏びくともせずに堀占拠 |
一駒 |
5 |
花冷えや富士をあおぎて朝散歩 |
祥雲 |
6 |
花冷えや突然入る師の訃報 |
丑郎 |
6 並選 |
(一駒選)死はいつだって突然 |
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7 |
花冷えや独り参拝砂利の道 |
法被衣 |
8 |
麦青む遠くに近くに鳥の声 |
法被衣 |
8 特選 |
(一駒選)本能で鳥達も麦の収穫にあずかりたいとお喋り |
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9 |
今は亡き母の窓辺に郁子の花 |
祥雲 |
10 |
久々の知己と昼餉や郁子の花 |
法被衣 |
10 並選 |
(祥雲選)蕎麦屋で蕎麦の昼餉を想像します。 |
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10 並選 |
(歌子選)コロナが落ち着いてきて、友とのランチもおしゃべりも増えました。咲いているお花ひとつにも話題が広がり、美味しいものをいただきながら平和で幸せなひと時です。 |
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11 |
来賓の長い祝辞や目借時 |
祥雲 |
11 並選 |
(歌子選)来賓の祝辞、単純明朗に一言で述べる勇気が欲しい。会場の景が見えて何度読み返しても笑いがこみ上げます。 |
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11 並選 |
(丑郎選)挨拶は短ければ短いほどよろしいようで。 |
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11 並選 |
(法被衣選)卒業式や入学式のあるこの季節、目の覚めるようないい話をする来賓は希少です。もうカエルとなるユーモラスな句。 |
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12 |
落花舞い髪に隠れて家路かな |
一駒 |
13 |
落花の校門なかよし母娘「はいピース」 |
法被衣 |
14 |
献上を続ける町や郁子の花 |
丑郎 |
15 |
郁子の花月命日の祭壇に |
一駒 |
16 |
お初なる君に見入るや郁子の花 |
歌子 |
16 並選 |
(丑郎選)浄瑠璃「曽根崎心中」お初徳兵衛をなんでしょうか? |
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16 並選 |
(一駒選)花に劣らぬ美しい異性にときめいてる気持ちがいい |
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17 |
花冷や退職届受理の朝 |
一駒 |
17 並選 |
(祥雲選)退職届の複雑な心境を季語が表現しているかと思います。 |
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17 特選 |
(歌子選)退職者を祝福する思いと困惑が滲む。季語がとてもよく生きている。 |
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18 |
花冷えやダウン着て巡る「桜林」 |
歌子 |
19 |
路線バスただただ揺らる目借時 |
法被衣 |
20 |
恋バナに力が籠る目借り時 |
一駒 |
21 |
昨夜から隣のミーも目借時 |
丑郎 |
22 |
目借時草笛光子の髪色に |
歌子 |
23 |
落花浴び八幡掘りの手漕ぎ船 |
丑郎 |
23 特選 |
(祥雲選)美しい光景が眼に浮かぶように見事に表現されています。船は舟のほうが相応しいのではないでしょうか。 |
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23 並選 |
(歌子選)なんて美しい景でしょう。落花を浴びながら、草木の匂いや鳥のさえずり、櫓をこぐ音などが聞こえてくるようです。 |
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23 並選 |
(法被衣選)美しい日本の光景、よく見ると乗っているのは外国人観光客ばかり? |
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24 |
すり足のシテの衣に落花かな |
祥雲 |
24 特選 |
(丑郎選)奇しくも国宝彦根城能舞台を鑑賞してきたばかりで彷彿しました。 |
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24 並選 |
(法被衣選)薪能でしょうか、一瞬の美を見事に捉えた句。 |
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25 |
黒塀の旧家落花のしきりなる |
歌子 |
25 並選 |
(一駒選) 観察力が鋭い |
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25 特選 |
(法被衣選)花吹雪の情緒ある光景が浮かんできます。 |
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