大変お待たせしました。第16回目の作品の選句、選評をお届けします
★★ 島ちゃん選 【4,9,12,19,23】
4赤ちゃんの 祝い着買って ゴム風船
誕生という高揚した気分と風船がマッチした句ですね
9川中のしぶきに光る柳の芽
銀色の柳の芽のふくらみがきらきら光って春の輝き、
なんだ かうきうきします。
12風船や消え行く天空小さき吾
空に吸い込まれていく風船、自分がだんだんなくなって、
無の境地でしょうか。
19芽のふいて一夜に山は膨らみぬ 無の境地でしょうか。
雪がとけて木々が芽吹いて、急に山が大きく見えること
23花冷えに身の上話湧く足湯
ぐるりと足が並んで羞恥心が消えたころ、身の上話など
出て、にぎやかな様子が伝わってきます
★★歌子選 【7、19、22、28、39】出て、にぎやかな様子が伝わってきます
7 花冷えやさがす上着に名刺あり
すでに退職した職場の名刺がでてきて、は~^こんな肩書きで
張りきってたこともあったな~と、感慨にふけることも・・
張りきってたこともあったな~と、感慨にふけることも・・
19芽のふいて一夜に山は膨らみぬ
芽が吹いて一夜にして山が膨らむ、春の芽吹きの勢いと明るさが
目に見えるようです。景の大きな素晴らしい句だと思いました。
文語体と口語体が混じっているので、できたら文語体で。
目に見えるようです。景の大きな素晴らしい句だと思いました。
文語体と口語体が混じっているので、できたら文語体で。
22陽炎や亡き姉に逢う墓参り
陽炎のたつ日に墓参りに行ったという句ですが
陽炎が亡き姉にもみえて、この取り合わせぞくっ
ときました。
文語体で。。。とわたしは言われているのですが
そうなればこれは『陽炎や亡き姉に逢ふ墓参り』
となりますね。
陽炎が亡き姉にもみえて、この取り合わせぞくっ
ときました。
文語体で。。。とわたしは言われているのですが
そうなればこれは『陽炎や亡き姉に逢ふ墓参り』
となりますね。
28手のひらに残りし香り山椒の芽
お料理に添えるためにほんの一枚か二枚摘んだだけなのに、
手のひらに残った山椒の香。
手のひらを顔に持ってきて、かいでいる様子や、
その香りまで想像できる句、体験した人にこそ
詠める句ですね。自分にでないと詠めない句
そんな句を目指したいものです。
手のひらに残った山椒の香。
手のひらを顔に持ってきて、かいでいる様子や、
その香りまで想像できる句、体験した人にこそ
詠める句ですね。自分にでないと詠めない句
そんな句を目指したいものです。
お花見の帰りお父さんの肩車にのって
風船が揺らめいている景ですね。
子どもが、お父さんがといわず
ゴム風船が肩車・・・って言う表現が
いいですね。
風船が揺らめいている景ですね。
子どもが、お父さんがといわず
ゴム風船が肩車・・・って言う表現が
いいですね。
選評
今回はよく似た印象の句が多く選句にまよいました。
1案ずればたらの芽つんで帰り来し
「とんぼとり きょうはどこまで いったやら」を思わせる
暖かいイメージですね。
もっとも、とんぼなら子供ですが、たらの芽はおじいさん?
暖かいイメージですね。
もっとも、とんぼなら子供ですが、たらの芽はおじいさん?
7花冷えやさがす上着に名刺あり
これも、どこか笑えるところが
角の丸い名刺が出てきて・・・
角の丸い名刺が出てきて・・・
15五重塔かげろう越しに揺らめきぬ
ビルよりも五重塔が風情に優るでしょう
28手のひらに 残りし香り 山椒の芽
台所の雰囲気ですね。写生。
同じようなイメージの句が多い中で
暖かい父子の後姿が目に見えるようで
★★ 法被衣選 【4,28、7,24、41】
陽炎がはかないもの、人生に重ねて詠んでいる句が多かったように思います。
陽炎は揺れているものなので、ゆれるという表現はいい過ぎのようにも感じました。
今までの傾向で、どうも自分は聴覚や嗅覚的な句が多いような気がします。
ことばから匂いを連想するのもまた愉しいもんですね。
それでは選句・選評です。
うきうき感のある句ですね。
食卓用の山椒の芽を摘んでいたのでしょうか。
食事時、その香りがまだ手に残ってたとか。
まさか、ちいママの名刺では^0^)
天ぷらか、和え物か、さて。
子供時代ならではの懐かしい一シーンです。
私は柳と言うとどちらかというとのんびりしちゃいます。
しぶきというよりはたゆとう流れかな。
しまう感覚、おもしろいです。
芽と海の結びつきは新鮮。
出漁の勢いが表わされるともっとよいと思います。
でも世の中不景気。
対比がわかるような気がします。
ゆらめく陽炎はなくなったお姉さんと話をしているかのような感じ・・・。
29花冷えが白髪の元となってきた
白髪の元という感性がおもしろいと思いました。
1 案ずればたらの芽つんで帰り来し
先日 金浦温泉でのんびりしてきて
こんな場面があったような・・・
2 花冷えや温泉通いの日暮るる
こんな場面があったような・・・
なんと言っても冷える身体には温泉がいいね~
まだ冬ものでいいんだよな~・・
スケールの大きい一句 春がいっぱいに・・
建設現場がゆらゆら ゆらいで・・・
下記5つ選びました。
18花冷えも出番待ってるランドセル
19芽のふいて一夜に山は膨らみぬ
23花冷えに身の上話湧く足湯
26ゆらゆらと陽炎たちぬローカル線
36花冷えの朝の食卓手に寒し
★真珠牛朗選【16、40、6、21、23】
16 花冷えに 戸惑いながら 袖通す
6 狂いたる 陽気にかげろう ビル揺らす
21 芽吹く頃 南に出向く 漁船団
23 花冷えに 身の上話 湧く足湯
14、陽炎や追いかけ恋の迷い道
振り返ってみると、いつまでも迷っていたいような
16、花冷えに戸惑いながら袖通す
仕舞いかけた服を、今の季節を言い表してます。
男でも戸惑う
仕舞いかけた服を、今の季節を言い表してます。
男でも戸惑う
23、花冷えに身の上話湧く足湯
これは、歌子ちゃんだ!おそらく話も湧く
様にはずんだことでしょう
これは、歌子ちゃんだ!おそらく話も湧く
様にはずんだことでしょう
37、風船を放して泣く子も新園児
昔よくみかけたような、なだめるのに大変だった
両親や爺婆ちゃん
昔よくみかけたような、なだめるのに大変だった
両親や爺婆ちゃん
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