●歌子選 【3、4、20、36、40】
3.唐辛子迷ってはじく飯支度
料理の本でも見ながら、夕食の支度をして
いらしたのですね。それで、唐辛子とある
から一応用意してはあるけど、辛いの苦手!
これは使わないことにしよう、主婦ならではの
句ですね。
4 唐辛子夕日の軒に遠筑波
軒下の唐辛子、遠くに筑波山が見えている
素材は唐辛子なのに、これほど広い情景を
詠めるんですねえ。
20 枝豆の弾けて子猫気色ばみ
動くものに反応する猫ちゃんの習性ですね。
まだ若い猫ちゃんなんでしょう。
気色ばむという一言に 猫ちゃんの動きや
音まで聞こえてきそうです。
36 二人して二輪車で行く花野かな
花野を、自転車の二人がゆるゆると走って
いる健やかさ、平和な関係、花野の美しさ
が目に浮かび、句の中のふたりがうらやましい。
40 蟋蟀のわれも独りと鳴く夜かな
われも独りと鳴く夜・・・自分の孤独を
蟋蟀に言わせていて、独り居の物悲しさ
寂しさに、胸が切なくなります。
42 週末の里は田を焼く煙這う
兼業農家の週末風景なのですね。
青森では最近稲刈りをしているので、そのうち
こんな風景を見ることになるでしょう。
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歌子の作品
2.藁葺の軒にゆらゆら唐辛子 【歌子】
14.枝豆やいらぬ一言悔ひており 【歌子】
26.大花野三味の音風と戯る 【歌子】
38.よくできた案山子と知らず話しかけ【歌子】