顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

萍漂子選  第34回

●萍漂子選【1、18、28、37、40】
 
1.夕映えを吸いて色増す唐辛子

夕映えのグラデーション、それも刻々と変化する
 
黄昏の色を吸い取る唐辛子。

美しさのいや増すことでしょう。
 
素晴らしい表現だと思いました。
 
 
18.枝豆の尽きてジョッキがやや重く

そうです、私も思いあたります。

そろそろお開きでしょうか。それともつまみを調えて
 
もう一杯やりましょうか。
 
 
 
28.花野ゆく遠き鉦の音葬の列

 
野をゆく風に乗って届く鉦の音の寂しさ、
 
侘びしさは花野を背景にして一入。
 
 
 
以下の二句はどうしても選び切れませんでした。
 
37.しんがりの湯浴みの母や虫の声

亡母も家人が寝静まり、シンとした夜更け、静か
 
に湯浴みしていました。

虫の声を聞いて何を思っていたのか、今となって
 
は知るよしもありません。
 
 
 
40.蟋蟀のわれも独りと鳴く夜かな

「蟋蟀」と「われ」が共有する空間と時間。

そこにはどのような共感が生まれたのでしょうか。
 
想像がどんどん膨らんでいきます。
 
 
 
 
 
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●萍漂子さんの作品
 
8.唐辛子刻める汝れの苛立ちて    【萍漂子】
 
20. 枝豆の弾けて子猫気色ばみ   【萍漂子】
 
32.土手をゆく人は花野に驚きて    【萍漂子】
 
44. 名月やスカイタワーも励まされ  【萍漂子】