●萍漂子選【1、18、28、37、40】
1.夕映えを吸いて色増す唐辛子
夕映えのグラデーション、それも刻々と変化する
黄昏の色を吸い取る唐辛子。
美しさのいや増すことでしょう。
素晴らしい表現だと思いました。
18.枝豆の尽きてジョッキがやや重く
そうです、私も思いあたります。
そうです、私も思いあたります。
そろそろお開きでしょうか。それともつまみを調えて
もう一杯やりましょうか。
28.花野ゆく遠き鉦の音葬の列
野をゆく風に乗って届く鉦の音の寂しさ、
侘びしさは花野を背景にして一入。
以下の二句はどうしても選び切れませんでした。
に湯浴みしていました。
虫の声を聞いて何を思っていたのか、今となって
は知るよしもありません。
40.蟋蟀のわれも独りと鳴く夜かな
「蟋蟀」と「われ」が共有する空間と時間。
「蟋蟀」と「われ」が共有する空間と時間。
そこにはどのような共感が生まれたのでしょうか。
想像がどんどん膨らんでいきます。
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●萍漂子さんの作品
8.唐辛子刻める汝れの苛立ちて 【萍漂子】
20. 枝豆の弾けて子猫気色ばみ 【萍漂子】
32.土手をゆく人は花野に驚きて 【萍漂子】
44. 名月やスカイタワーも励まされ 【萍漂子】