法 歌
１ 夏帽子海の香残し昼寝かな 【道草】
２ 句碑めぐる計画たてり夏来たる 【歌子】
牛 法
３ 水浴びる雀あまたや夏は来ぬ 【祥雲】
法 道 歌 し
４ 機械とめいっぷくの畔匂う夏 【牛郎】
５ 誰もない乾いた廃墟夏来る 【しらぶる】
６ 嵐去り陽射しの中に夏は来ぬ 【法被衣】
牛 法 祥 葉
７ 単線のトロッコ列車夏に入る 【羽林】
８ 列島長しまだ見ぬ夏の句作かな 【風葉】
祥
９ 初蝶やあんよはじょうず手のなる方へ 【歌子】
羽 し
１０ 黒光る梁に微睡む胡蝶かな 【祥雲】
道 羽
１１ 初蝶も畑の主に追われけり 【牛郎】
牛 祥
１２ 追うほどに幻惑される蝶ひとつ 【しらぶる】
１３ 何描くや黄のキャンバスに紋白蝶 【法被衣】
道
１４ 初蝶に誘はれて行く河原かな 【羽林】
羽 し
１５ 初蝶や園主の梯子高かりし 【風葉】
祥 葉
１６ 鍬の先米寿の母に蝶止まる 【道草】
法 道 歌
１７ 透ける身の命を天に吐く蚕（こ）かな【祥雲】
羽 葉
１８ なんとなく五月大好き婚記念 【牛郎】
１９ 青嵐闇の魔王に語りかけ 【しらぶる】
羽
２０ 隅々に命あふるる木の芽時 【法被衣】
牛 歌 葉
２１ 行間を空けて追伸春惜しむ 【羽林】
道 歌 し
２２ 花ごろも脱いで明日は林檎園 【風葉】
２３ 子をあやし夏の木漏れ日燦めいて 【道草】
牛 祥 し 葉
２４ 雲流るたんぽぽの野に大の字に 【歌子】
。
