第１１９回 作品と選句と一言感想

         法　し　恵
1 チャルメラを聞けばいや増す夜寒かな　　 【祥雲】

　　　祥　法　歌　牛　
2 冬ざれや空き缶ひとつけもの道　　　　　【一駒】

　　　　　
3 凍雲に背中を向けて昼寝かな　　            【しらぶる】

　　　祥 法　し　駒　風
4 海鳴りの駅舎に一人冬ざるる　　　　　　【歌子】

　　　祥　牛
5 木漏れ日や木立の中に匂う冬　　　　　　【一駒】　

　　　駒
6 冬ざれや公園歩く人まばら　　　　　　　【恵子】

7 冬ざれて心配事の夢を見し　　　　　　　【法被衣】

　　　牛
8 夜寒かな深夜のラジオ神田川　　　　　　【恵子】

　　　祥　法　し　駒
9 冬ざれやジャングルジムに鳥一羽　　　　【風葉】

　　　祥　恵
10 冬ざれや木地屋の土間に猫二匹　　　　【牛朗】

　　　歌　風
11 妻の煮るロールキャベツや小六月　　　【祥雲】　　

　
12 納豆や冷たき朝に飯の湯気　　　　　　【法被衣】　

　　　駒　歌　風
13 夫眠りほっと一息山眠る　　　　　　　【恵子】

　　　牛
14 冬ざれの街に行き場所探す鳥　　　　　【しらぶる】

　　　駒
15 長袖は箪笥の香する夜寒かな　　　　　【法被衣】

　　　祥 法 歌　風　恵　
16 百一の母の喃語や朝時雨　　　　　　　【牛朗】

　　　し　歌　牛
17 洗濯の乾かぬままの夜寒かな　　　　　【風葉】

　　　歌　恵
18 冬薔薇術後の人に茶を出せり　　　　　【風葉】

　　　風
19 夕食のほっけはみ出す夜寒かな　　　　【歌子】

20 雨風の窓打つ音に夜寒かな　　　　　　【一駒】　

　　　し　駒
21 冬ざれの葎に小さき鳥の声　　　　　　【祥雲】　　　　　

　　　牛　恵
22 気合入れ屋台飛び出す夜寒かな　　　　【しらぶる】

　　　風
23 夜寒さや梅酒の瓶の琥珀色　　　　　　【牛朗】

　　　法　し　恵　　
24 料理酒ぬくめてをりぬ夜寒かな　　　　【歌子】