顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第158回 2月句会  投稿作品, 選句鑑賞 作者

 

    牛 法 ◎歌

1  碧空の雲に消えゆく告天子     【祥雲】

    歌

2  退院の届きたるより春めきぬ    【牛郎】  

            ◎ 祥 駒 歌

3  庭にいで胸の奥まで春めきぬ    【法被衣】

    牛 歌

4  菜の花や口いっぱいにほろ苦さ   【あらまち一駒】

     祥 法 

5  一村を埋めし菜の花過疎の村    【歌子】

      祥

6  菜の花の色に紛れて白き比良    【牛郎】 

    駒

7  菜の花の満ちて人影淋し道     【法被衣】

8  足音に恋バナ雲雀飛び立てり    【あらまち一駒】

   ◎ 牛 ◎駒

9  赤子より育てし孫や十二の春    【歌子】

    法

10 ふるさとの山河はいかに花菜風   【祥雲】 

11 町名に雲雀丘とつく団地      【牛郎】 

12 雲雀鳴く地平の果てに屋根光る   【法被衣】

13 春めく日二度寝で続く夢語り    【あらまち一駒】

   駒

14 野に高く雲雀の賛歌我も歌ふ    【歌子】

15 春めくや斑鳩(いかる)百羽のピイピイポポポ 【祥雲】

16 白鳥の北帰うながす川の音     【あらまち一駒】

    祥 ◎法

17 比良山の残雪遠く農具市      【牛郎】   

   牛

18きじ翔ぶや錦繡ながく垂らしつつ     【祥雲】 

19開け放す車の窓や梅流る         【法被衣】  

20春めくとは名ばかり虎落笛鳴りぬ     【歌子】

 

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        選句 鑑賞

祥雲選 【◎3,5,6,17】

◎3庭にいで胸の奥まで春めきぬ

庭の植物や動物などの小さな蠢きに気づいた感動がひしひしと伝わってきます。

5一村を埋めし菜の花過疎の村

日本の原風景のような美しい景がもの悲しさのなかに表現された良句です。

 6菜の花の色に紛れて白き比良

近景の黄色い菜の花と遠景の残雪の比良山地が対比的に巧く表現されています。

17比良山の残雪遠く農具市

琵琶湖を挟んで真向かい遠くに残雪の比良山地が見える所の農具市。

自然と人間の営みの絡みが上手く表現されています。

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牛郎選【1、 4、 ◎9、 18、】

1碧空の雲に消えゆく告天子     

私の様な山家育ちが見た事のない大草原を想像しました。 

4、菜の花や口いっぱいにほろ苦さ 

待ちに待った春を満喫する美味しい句に食が進みます。 

◎9、赤子より育てし孫や十二の春   

事情は判りませんが、作者の苦労が報われた満足感が伝わる句に感動。 

18、きじ翔や錦繡ながく垂らしつつ

国鳥の雉、飛ぶことが苦手な鳥の様ですが翔雄の綺麗な事。 

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 法被衣選【1,5,10,◎17】 

1碧空の雲に消えゆく告天子

告天子がひばりということを勉強させていただきました。

ひばりが鳴く空の大きさを感じます。 

5一村を埋めし菜の花過疎の村

にぎにぎしい菜の花と人影のない村の対比、埋めしが利いています。一村と過疎の村の村はどちらか省略できるような気もします。 

10ふるさとの山河はいかに花菜風

原発事故でふるさとを追われた人々に思いを馳せてしまいます。

◎17比良山の残雪遠く農具市

近景の農具市の人の気配と遠景の大自然の空気感の対比が秀逸です。

 

あらまち一駒選 【3、7,◎9,14】 

3庭にいで胸の奥まで春めきぬ

春よ来いの思いが伝わりやっと春が来た喜びに満たされてる感がとっても伝わる。 

7菜の花の満ちて人影淋し道

広大なジャガイモ畑が今年は菜の花畑に人が菜の花畑に埋まってしまう程の風景が浮かびます 

◎9赤子より育てし孫や十二の春

どんなにか愛しくもう手を離して良いかなが十二の春に込められてとっても良いと思いました。 

14 野に高く雲雀の賛歌我も歌ふ

雲雀に誘われて歌い出す様子が浮かび良いですね。

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歌子選 【◎1,2,3,4】 

◎1碧空の雲に消えゆく告天子

そこまで高く飛ばなくてもと思うほど高いところまで高くまっすぐ上から

雲雀は子供を見守ってるんですね。視界の高さ広さ、雲雀の響き渡る鳴き声

五感が刺激される美しい句。

 2退院の届きたるより春めきぬ

退院が決まりやっと心配から解き放たれて、我が家に春が始まります

といった心境がよく伝わってきます 

3庭にいで胸の奥まで春めきぬ

長かった冬が終わり、深呼吸しながら春の到来を楽しんでいる光景が目に浮かびます。

大雪の青森でももうすぐこんなことが実感になるでしょう。 

4菜の花や口いっぱいにほろ苦さ

味覚で春を感じるなんともおいしそうな一句。

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編集がすっかり遅くなりました。大変申し訳ありません。

選句と感想と作者名を一気にご紹介しました。

各自、選句や選句数に間違いがないかどうぞ確認してください。

3月の兼題は、一人一題づつ提出するということでいかがでしょうか。

よろしくお願いします。ですから句は5句の投稿ということになります。

 

4月の季語  3月はもう終わるので4月を意識した兼題をお願いします。

 

●祥雲さん より 【 干潟  】

●牛郎さんより  【 林檎の花 】

●法被衣さんより 【 猫の子 

●あらまち一駒さんより【 新学期 】

●歌子 より   【 4月馬鹿  】

 

コメント欄にお願いします。コメント欄に書き込みが難しい方は

haikude575@yahoo.co.jp

までお送りください。

 

 

 

 

第158回 2月句会  投稿作品

1  碧空の雲に消えゆく告天子

2  退院の届きたるより春めきぬ

3  庭にいで胸の奥まで春めきぬ

4  菜の花や口いっぱいにほろ苦さ

5  一村を埋めし菜の花過疎の村

6  菜の花の色に紛れて白き比良

7  菜の花の満ちて人影淋し道

8  足音に恋バナ雲雀飛び立てり

9  赤子より育てし孫や十二の春

10 ふるさとの山河はいかに花菜風

11 町名に雲雀丘とつく団地

12 雲雀鳴く地平の果てに屋根光る

13 春めく日二度寝で続く夢語り

14 野に高く雲雀の賛歌我も歌ふ

15 春めくや斑鳩(いかる)百羽のピイピイポポポ 

16 白鳥の北帰うながす川の音

17 比良山の残雪遠く農具市

18 きじ翔ぶや錦繡ながく垂らしつつ 

19 開け放す車の窓や梅流る

20 春めくとは名ばかり虎落笛鳴りぬ

 

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皆様、お元気でお過ごしでしょうか。

2月の句会を今月も開くことができて

うれしく思います。

兼題は「春めく」、「菜の花」、「雲雀」

と美しい春の季語で、早々と作品もお送り

いただきありがとうございました。

今月も4句選として、その4句の中から一番の

お気に入りの作品番号に◎をつけて一言感想

を添えて、お送りください。

送り先は haikude575@yahoo.co.jp

締め切りは、3月1日までにお願いいたします。 

それでは楽しみにお待ちしております。

 

またどなたでも、575に関心のある方はいつでも

ご自由に投稿と選句にご参加ください。歓迎いたします。

 

 

 

 

 

 

遅くなりました 1月句会のご報告と2月の兼題

ご報告がすっかり遅れてしまって大変申し訳ありませんでした。

みな様お元気でお過ごしのことと思います。

早速1月の句会のご報告ですが、1月は祥雲さんの下記の句が

全員から選ばれ、満点句、高点句でした。満点句はめったに出ることはありません

ので、新年早々おめでとうございます。

 

17 水脈ひいて大船団の鴨の陣    【祥雲】 

   選者は ◎歌子 ◎一駒 法被衣 牛郎

 

選者の選評、感想は次の通りです

 

◎歌子  動きの見えるの景の大きな美しい句で、迷いなく◎でした

◎一駒  水脈ひいて大船団の鴨の陣。堂々と鴨が泳ぐ姿が浮かびます

法被衣  三角形で進む鴨の群れ、確かに陣立て。

牛郎   毎年琵琶湖に飛来する鳥達を観察撮影に参加しています。

 

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私が選んだ1月の二重丸俳句と感想

 

祥雲選  

◎8 悴む手合わせ祈るや津軽富士 【作者 歌子】

 コロナの終息を必死で祈っている様子が「悴む」で伝わってきます。

    

歌子選  

17 水脈ひいて大船団の鴨の陣 【作者 祥雲】

 動きの見えるの景の大きな美しい句、迷いなく◎でした。

 

あらまち一駒選 

◎17 水脈ひいて大船団の鴨の陣 【作者 祥雲】

 堂々と鴨が泳ぐ姿が浮かびます

 

法被衣選

◎8   悴む手合わせ祈るや津軽富士 【作者 歌子】

初日の出の神々しさが伝わります。   

 

牛郎選

◎4、焼きたての豆餅掌中ひだりみぎ 【作者 法被衣】    

餅好きな作者の光景が浮かびます。また、ひだりみぎに感心しました。

 

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2月の兼題

2月の兼題は、祥雲さんより3題お願いいたします。

(この記事下方にあるコメント欄にご記入お願いいたします。)

 

祥雲さんより 【春めく】

       【菜の花

       【雲雀 

当季雑詠 一題 計4句の作品投稿となります。

 

遅くなりましたが、皆様よろしくお願いいたします。

作品投稿の締め切りは 2月25日

送り先は haikude575@yahoo.co.jp

です。お待ちしております。

第157回 1月句会 互選と感想、作者

      作品

 

1  出雲なる磯海苔まぶし餅三つ  【祥雲】  

    

2  今日の餅ラザニアとなり話題めく 【歌子】

    祥 駒 

3  鏡餅神にも格のありにけり    【牛郎】 

    歌 ◎牛

4  焼きたての豆餅掌中ひだりみぎ  【法被衣】

5  揚げられて生まれ変わった鏡餅  【一駒】

   

6  安穏の猫も歳とる去年今年    【法被衣】 

7  喜寿まではあと幾日の去年今年  【牛郎】 

   ◎祥 駒 ◎法

8   悴む手合わせ祈るや津軽富士   【歌子】 

   駒 

9  悪疫のおさまり願う去年今年  【祥雲】

    歌 

10 青い空輝く雪の津軽富士    【一駒】  

11 初富士の遠きに暮れる車窓かな  【法被衣】

   

12 秀麗の雪嶺(ゆきね)の富士を遥拝す【祥雲】 

13 混乱の極みウィルスよ去年今年   【歌子】   

14 元日や中継の富士美しき国     【牛郎】   

15 名ばかりの初雪の舞う都会行く  【法被衣】

16 去年今年乗せた受験の初孫や   【一駒】

    ◎歌 ◎駒 法 牛

17 水脈ひいて大船団の鴨の陣    【祥雲】 

18 冬の火事裸足で逃げた老婆かな  【一駒】

     祥 歌

19 鈴鹿峰のまず御在所に初明り   【牛郎】  

     祥 法

20 山姥のごと鱈さばく更けし余半  【歌子】  

 

 

◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇

 

祥雲選 【3、◎8、19、20】

 

3 鏡餅神にも格のありにけり

    神饌の鏡餅には格があることに感じ入っている様子が良いとおもいます。

 

◎8 悴む手合わせ祈るや津軽富士

    コロナの終息を必死で祈っている様子が「悴む」で伝わってきます。

 

19 鈴鹿峰のまず御在所に初明り

    いつもの見慣れた御在所だが、初明りは格別だという感じが伝わってきます。

 

20 山姥のごと鱈さばく更けし夜半

    真夜中に鱈をさばく鬼気迫るかのような様子が上手く表現されています。

 

◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆

 

 歌子選 【4、10、◎17、19】

 

4  焼きたての豆餅掌中ひだりみぎ  

句を見て思わずアチ アチと言いたくなりました。

焼けたての餅の熱さは一言も言わず、掌中ひだりみぎで

熱さを伝え表現されていてお見事です。

 

10 青い空輝く雪の津軽富士   

弘前へ行く途中、前面にパーッと大きな岩木山がそびえたってみえるルートがあるのですが、その光景がありありと目に浮かびます。何十年もみてきていますが、美しく神々しい姿に心奪われます。人々にお岩木様と親しまれている霊山岩木富士。

 

◎17 水脈ひいて大船団の鴨の陣  

動きの見えるの景の大きな美しい句で、迷いなく◎でした

 

19 鈴鹿峰のまず御在所に初明り  

鈴鹿峰も御在所もいったことがないのでよくわかりませんが、何はともあれまず御在所に初明かり、祈りと希望を感じました。

 

◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇ 

 

あらまち一駒選【3.8.9.◎17】

 

3  鏡餅神にも格のありにけり

鏡餅の大小に現れて格に気づく様に置かれて置いた人の心も分かる。

 

8   悴む手合わせ祈るや津軽富士

何時もそんな気にさせる津軽富士です。

 

9  悪疫のおさまり願う去年今年 

ホント私の願いでもある

◎17 水脈ひいて大船団の鴨の陣 

堂々と鴨が泳ぐ姿が浮かびます

 

◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇ 

 

法被衣選【2,◎8,17,20】

 

 2  今日の餅ラザニアとなり話題めく

 新しい餅の食べ方、話題になりますね。

 まだピザがもの珍しい時、伸びるチーズを餅だと言い張った輩がおりましたっけ。     

 

◎8   悴む手合わせ祈るや津軽富士

初日の出の神々しさが伝わります。    

 

17 水脈ひいて大船団の鴨の陣   

三角形で進む鴨の群れ、確かに陣立て。

 

20 山姥のごと鱈さばく更けし夜半

仕事を終わらせねば、と鬼気迫る感じが伝わります。

 

◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇  ◆ ◇ ◆  ◇ 

 

牛郎選【◎4、6、12, 17、】

 

◎4、焼きたての豆餅掌中ひだりみぎ     

餅好きな作者の光景が浮かびます。また、ひだりみぎに感心しました。

 

6、安隠の猫も歳とる去年今年        

長年飼っておられる猫に家族観を感じます。

 

12、秀麗の雪嶺の富士揺拝す       

新幹線での上京時に楽しみにしている富士山未だ見たことが有りません。

 

17、水脈ひいて大船団の鴨の陣      

毎年琵琶湖に飛来する鳥達を観察撮影に参加しています。

 

第157回 1月句会 投稿作品

      1月の作品

 

1  出雲なる磯海苔まぶし餅三つ 

2  今日の餅ラザニアとなり話題めく 

3  鏡餅神にも格のありにけり   

4  焼きたての豆餅掌中ひだりみぎ 

5  揚げられて生まれ変わった鏡餅 

6  安穏の猫も歳とる去年今年   

7  喜寿まではあと幾日の去年今年    

8   悴む手合わせ祈るや津軽富士   

9  悪疫のおさまり願う去年今年 

10 青い空輝く雪の津軽富士   

11 初富士の遠きに暮れる車窓かな 

12 秀麗の雪嶺(ゆきね)の富士を遥拝す 

13 混乱の極みウィルスよ去年今年   

14 元日や中継の富士美しき国    

15 名ばかりの初雪の舞う都会行く 

16 去年今年乗せた受験の初孫や 

17 水脈ひいて大船団の鴨の陣   

18 冬の火事裸足で逃げた老婆かな

19 鈴鹿峰のまず御在所に初明   

20 山姥のごと鱈さばく更けし夜半   

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇  ◆ ◇ ◆ ◇

 

新しい年が明けたと思ったら、もう27日。時間の過ぎ去るのはほんとに早いですね。

皆様お元気でお過ごしでしょうか。今月も少人数ながらも、こうして一緒に句会を開くことができてうれしく思います。今月も4句選として、特にお気に入りの作品番号に◎をして、選評、感想などを1月30日まで haikude575@yahoo.co.jpあてお送りください。

それではお待ちしております。

 

 

 

12月句会のご報告と令和3年1月句会の兼題

今年はコロナ禍のため、子供たちの帰省もなく静かな年末を過ごしておりますが、みな様のところはいかがでしょうか。12月31日は、例年ですと、山ほどの食材を買いこみ、食べきれないほどの料理を、これでもかと作り、にぎやかに過ごしてきたものですが、今年は、うそのように静かな夕べを迎えております。6時から会食開始なのであと1時間、ゆったり句会の編集に取り掛かっております。

 

さて、12月句会では、法被衣さんの下記の句が高点句でした。おめでとうございます。

 

18疫病に静まり返る十二月   【法被衣】

 

歌子選

◎18疫病に静まり返る十二月   

今現在の不安な世の中を切り取った一句。私の住んでいる青森ではこのコロナ禍で失職した人が1800人もいるそうです。クリスマスも正月も何もあったものではありません。一年で一番賑やかで忙しく活気あるはずの12月が、買い物客もまばらで、静まり返っている・・今まで見たこともない光景です。「静まり返る」というのが不気味です。 

 

一駒選

18疫病に静まり返る十二月  

18疫病に静まり返る十二月

コロナがここ迄猛威を振るうとは想像つきませんでした。

疲れはて年の瀬も静かにしていたい、共感させられますよね。

 

牛郎選

18疫病に静まり返る十二月  

コロナ禍拡大が各地に及び不安な世の中に成りました。 

 

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♬ 私が選んだ二重丸俳句 ♬

  

祥雲選 

◎6【牛郎】 冬麗やろくろ鉋の挽く香り 

電動の轆轤鉋でしょうか。刃と木地が擦れた時に立ち昇る香りを感じさせる良句です。檜などの香りのよい木地を挽いている景を感じます。「冬麗」に合っていて良いと思います。

 

歌子選

◎18【法被衣】 疫病に静まり返る十二月 

今現在の不安な世の中を切り取った一句。私の住んでいる青森ではこのコロナ禍で失職した人が1800人もいるそうです。クリスマスも正月も何もあったものではありません。一年で一番賑やかで忙しく活気あるはずの12月が、買い物客もまばらで、静まり返っている。今まで見たこともない光景です。「静まり返る」というのが不気味です。

 

法被衣選

◎10【あらまち一駒】 風ふわり髪にかんざし落葉かな

落ち葉のかんざし、素敵な感性を感じます。

落ち葉のかんざしとすれば髪を省略できるのかも。

 

牛郎選

◎20【歌子】枯葉舞うイブモンタンの歌聴こゆ                  

 私達の歳の方なら、シャンソン枯葉あまりにも有名です。

 

 

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令和3年1月の兼題について

法被衣さんから 三題 

( 餅 )

(去年今年)

(富士読みこみ)

当季雑詠       (   )   

 

 〆切は1月25日

送り先はhaikude575@yahoo.co.jp

 

第156回 12月句会 作品、選句、感想、作者

      牛

1  何となく心せわしき十二月   【祥雲】

2  枯葉にもしがみつきたき強き風 【牛郎】

     祥 ◎駒

3  静けさや落ち葉の染めし街の朝 【法被衣】

     

4  冬麗誰もがマスク美男美女 【一駒】

5  十二月今年最後の受診終える 【歌子】

     ◎祥 法

6  冬麗やろくろ鉋の挽く香り  【牛郎】 

     牛

7  水鳥やオブジェのごとく身じろがず 【歌子】

8  ゆっくりと螺旋の夢を浮寝鳥 【祥雲】 

9  冬うらら広場の子らの声遠し  【法被衣】

    ◎法

10 風ふわり髪にかんざし落葉かな【一駒】

    

11 スタートは今七十三冬うらら 【歌子】

    

12 水鳥やえさ場に群れる命かな 【法被衣】

    歌 法

13 踏みしめる銀杏落葉や共白髪 【祥雲】

14 本日の群れし水鳥十三種   【牛郎】

15 息切らし雨の12月バスに乗る 【一駒】

16 冬麗やトランペットを吹く男【祥雲】 

    祥 歌 法

17 鈴磨くおしゃべり媼十二月  【牛郎】

    ◎歌 駒 牛

18 疫病に静まり返る十二月   【法被衣】

19 水鳥も澄まして泳ぎ泳跡波 【一駒】

    駒 牛

20 枯葉舞うイブモンタンの歌聴こゆ【歌子】

 

 

 

♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬

♬ ♬ ♬ 選句 鑑賞 感想  ♬ ♬ ♬

 

 

祥雲選 【◎6、3、11、17】 

◎6 冬麗やろくろ鉋の挽く香り

電動の轆轤鉋でしょうか。刃と木地が擦れた時に立ち昇る香りを感じさせる良句です。檜などの香りのよい木地を挽いている景を感じます。「冬麗」に合っていて良いと思います。

 

3 静けさや落ち葉の染めし街の朝

落ち葉が散り敷いた街の朝の景が見事に表現された良句です。

 

11 スタートは今七十三冬うらら

 私より一つ年上の方の詠。その気迫に感動しました。

 

17 鈴磨くおしゃべり媼十二月

 神社の鈴を磨いているのでしょうか。初詣用に鈴を奇麗に磨いている姿が目に浮かびます。「おしゃべり媼」が微笑ましい。 

 

♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ 

歌子選 (4.13.17.◎18) 

4  冬麗誰もがマスク美男美女  

気が滅入りがちなマスク事情を「誰もが美男美女」と軽やかに言い切り、思わずくすっとなりました。

   

13 踏みしめる銀杏落葉や共白髪 

この年になるまで よく一緒に歩んでこれたものだね、という深々とした感慨が伝わってきます。

 

17 鈴磨くおしゃべり媼十二月  

神社参拝の鈴磨きのご奉仕をしているのでしょう。鈴音と女性の尽きぬおしゃべりとが響きあっています。何につけてもおしゃべりがいのちの女性たち。たくさんの経験を積んだ分、女のおしゃべりは、尽きることがありません。

 

◎18 疫病に静まり返る十二月   

今現在の不安な世の中を切り取った一句。私の住んでいる青森ではこのコロナ禍で失職した人が1800人もいるそうです。クリスマスも正月も何もあったものではありません。一年で一番賑やかで忙しく活気あるはずの12月が、買い物客もまばらで、静まり返っている・・今まで見たこともない光景です。「静まり返る」というのが不気味です。 

 

♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ ♬ 

法被衣選【6,◎10,13,17】

 

6冬麗やろくろ鉋の挽く香り

匂いの記憶を呼び覚まされました。

香を木の香としてもよいのかなと。

 

 ◎10風ふわり髪にかんざし落葉かな

落ち葉のかんざし、素敵な感性を感じます。

落ち葉のかんざしとすれば髪を省略できるのかも。

 

13踏みしめる銀杏落葉や共白髪

落ち葉の乾いた音が聞こえて来ます。

銀杏の銀と白髪が呼応しているように思います。 

 

17鈴磨くおしゃべり媼十二月

手と口をせわしなく動かす姿から元気をもらえそうです。

鈴を磨く行為が何を指すのかが少々伝わりにくいかも。 

 

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あらまち一駒選(◎3,12、18,20)

3静けさや落ち葉の染めし街の朝(◎)

映画のワンシーンのように情景が浮かびます。

 

12水鳥やえさ場に群れる命かな

餌があるから集まるんです、すなわち命ですよね。

 

18疫病に静まり返る十二月

コロナがここ迄猛威を振るうとは想像つきませんでした。

疲れはて年の瀬も静かにしていたい、共感させられますよね。

 

20枯葉舞うイブモンタンの歌聴こゆ

イブモンタンと言えば枯葉、歌が聞こえてます。

 

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牛郎選【1、7、18, ◎20、】

 

何となく心せわしき十二月     

確かに十二月、高齢になり動きが悪いのですが気持ちだけせわしなく

感じます。

 

7水鳥やオブジェのごとく身じろがず

真鴨の木の置物が部屋に有ります、近くに有る沼に数百羽越冬して

います。

 

18疫病に静まり返る十二月  

コロナ禍拡大が各地に及び不安な世の中に成りました。

 

◎20枯葉舞うイブモンタンの歌聴こゆ 

私たちの歳の方なら、シャンソン枯葉あまりにも有名です。