顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

2013年 八月 顧問のいないネット句会 作品(作者)、選句感想(選者)

 

  • 1寝床より仰ぐ花火や旅の宿 【祥雲】

 

特選  【あらまち一駒選】日頃の疲れを癒し寝ながら花火鑑賞目に浮かぶ

並選  【歌子選】クーラーのよくきいた部屋で寝転がりながら花火鑑賞。長閑で平和 

な情景が目に見えるようです。

並選  【法被衣選】部屋の灯りは消して敷かれた布団に寝そべって頬杖をついて眺め

る花火、非日常の贅沢。

 

妻と来て五山送り火京の宿 【祥雲】

並選  【丑郎選】三年ぶりの五山の送り火我が夫婦も行きました。

 

 

 

防空壕避け登下校した九月  【歌子】

 

4灼熱の日々に負けてたまるか肉を喰う 【あらまち一駒】

 

5  八月大名腰骨へ貼り薬    【丑郎】

 

 

 

6 刈り草の匂える径や夏やすみ 【祥雲】

特選 【法被衣選】 鼻で情景を捉えた名句です。

並選 【丑郎選】  今年の夏の猛暑日の多い事。

 

白帝や土曜の朝の宇治玉露【丑郎】 

特選 【歌子選】 土曜日はきっと仕事のない特別な日に違いない。酷暑が過ぎ、一週間の仕事から解放されてくつろいでゆったりしている感じが、宇治玉露から伝わってきます。

並選 【祥雲選】暑さの残る中にも秋風を感じながら土曜の朝に宇治玉露を喫し憩っている句か。

 

8   白帝や狭庭の野菜並ぶ朝  【歌子】

並選  【あらまち一駒選】自家栽培の野菜で料理を王様に進呈

 

9   歌姫と被曝ピアノや広島忌 【祥雲】

 

10   語り継ぐ一瞬の焦土広島忌 【あらまち一駒】

並選  【歌子選】決して二度と使ってはいけない核爆弾 「一瞬の焦土」とは、言い得ていて、言葉選びの才能を感じます。 

 

11 人類に希望を灯せ広島忌 【法被衣】

並選 【祥雲選】核廃絶に向けた運動をこの日本の広島から続けよという句か。

 

 

12  添へてある折鶴一羽広島忌【丑郎】

13  線香花火の落ちる間に文渡す【あらまち一駒】

14  大花火息のむ後に音の来る 【法被衣】

15  地を走るねずみ花火の虚空かな【丑郎】

16  火と音のただ怖いだけ花火かな【歌子】

 

17沈黙を破り語り部広島忌 【歌子】 

特選 【丑郎選】七歳で被爆体験された佐渡郁子さんの話聞き入りました。

並選 【祥雲選】老い先見えてきた人が沈黙を破って、あのピカドンを語りだしたという句か。切ない。

並選  【あらまち一駒選】なかなか辛い事言えないけど今日は広島忌、思い切って原爆投下の悲惨を語ろう意思を感じる

 

18  青瓢(あおふくべ)だらりまん丸くびれ腰 【法被衣】

並選 【歌子選】まだ青々として熟しきっていない青瓢箪なのに、「くびれ腰」にそこはかとなく色気を感じ、ユーモラスです。

 

19  送り火や見詰めて語る亡き霊に 【あらまち一駒】

20  送り火や流るる先に平和あれ  【法被衣】

 

21  送り火や五十の父と百の母   【丑郎】

特選  【祥雲選】送り火を焚きながら、五十歳で亡くなった父と百歳で亡くなった

母のことをしみじみと思い出している感慨句か。

並選  【法被衣選】 男は短命女性は長寿、毎年想い起こす親族の記憶

 

22  送り火の焚かれ消えゆく古都の宵 【歌子】

並選 【丑郎選】 送り火のもの悲しさが伝わる句に感謝。

並選 【あらまち一駒選】 長い事送り火が灯されてた風景が浮かぶ 

並選 【法被衣選】 闇に浮かび上がる大文字焼の炎とその終焉、一抹の寂しさと静かな日常が訪れます。

 

23   白帝や森の泉の白き馬    【祥雲】  

24   白帝や校庭遥か飛ぶ白球   【あらまち一駒】

25   白帝や肌焼く陽にも風やわし 【法被衣】