顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

2023年10月 選句と感想、作者

   選句、感想、作者      

 

丑郎選 ( 特3 並9 並20 並24)

 

特選

3 落鮎や簗でバク転水しぶき【あらまち一駒】       

作者の観察力、表現力に感服しました。

 

並選

9子らはしゃぎ銀杏落葉蹴り走る【あらまち一駒】     

子供達がはしゃぐ様子が伝わります。

 

並選

20 新酒利く神妙な面赤ら顔  【法被衣】       

友達の酒造会社に毎年唎酒会に伺います。  

 

並選

24落鮎やきらめき描く竿の先 【法被衣】      

子持ち鮎は夏の鮎より数倍美味です。

 

 

祥雲選( 特10 並8 並14 並18)

 

特選

10境内は銀杏落葉の一つ色 【丑郎】

「一つ色」が効いていて、黄金色に輝く銀杏落葉一色の境内は清浄な感じがする。

 

並選

8ゆるゆると老いの坂道帰り花 【歌子】

老境の心情が巧みに表現されている良句である。

 

並選

14秋晴れやろくろ鉋の削り音 【丑郎】

木地細工の景でしょうか、秋晴れに吸い込まれるように削り音が調和している。

 

並選

18跡取りの娘杜氏の新酒かな 【丑郎】

酒造りの杜氏の後継者が女性というのも時代の流れを感じさせる。

 

 

歌子選 (特3 並23 並17 並24)

 

特選 

3 落鮎や簗でバク転水しぶき 【あらまち一駒】

鮎の動きや水飛沫の音まで聞こえるようです。「バク転」がすごい。無駄のない情景描写、見事です。

 

並選

23落鮎や小屋に古りたる袋たも【丑郎】

袋たもが現実味のある句にしています。

 

並選

17白壁の杉玉つげる新酒かな 【祥雲】

我が家の近くにも、田酒とか菊久泉で有名な西田酒蔵があります。

 

並選

24落鮎やきらめき描く竿の先 【法被衣】

釣り人を起点として、竿の先の糸が弧を描く美しい様子がスローモーション映像のように見えてきます。

 

あらまち一駒選 (特8 並16 並18 並22)

 

特選

8 ゆるゆると老いの坂道帰り花【歌子】

老いてももうひと花咲かそうと明るい句だ

 

並選

16 秋晴れや五千歩刻む万歩計【歌子】

五千歩と秋晴れがマッチしていいな

 

並選

18跡取りの娘杜氏の新酒かな【丑郎】

旨い酒が仕込まれたでしょう

 

並選

22産み終えて落鮎生を全うす 【祥雲】

鮎の儚さに感動

 

 

法被衣選 (特9 並10 並14 並23)

 

特選

9子らはしゃぎ銀杏落葉蹴り走る 【あらまち一駒】

大人も子供になりたい光景をストレートに表現。

 

並選

10 境内は銀杏落葉の一つ色【丑郎】

黄色の落ち葉で埋め尽くされた境内、静かな朝なのか、うららかな陽がさす午後なのか、想像が膨らみます。

 

並選

14 秋晴れやろくろ鉋の削り音【丑郎】

木を削る音が聴こえて来るよう。

 

並選

23 落ち鮎や小屋に古りたる袋たも 【丑郎】

昔から続く人と鮎の縁を感じます。

 

 

 

1
結婚式空は秋晴れ上の空
あらまち一駒
2
東大の銀杏落葉を踏みしめる
祥雲
3
落鮎や簗でバク転水しぶき
あらまち一駒
4
ぽくぽくの木魚の音や萩日和
祥雲
5
見送りて早ひととせの秋彼岸
丑郎
6
長雨に断捨離五袋雨あがる
あらまち一駒
7
木の葉髪肩払ふ手に老いの影
法被衣
8
ゆるゆると老いの坂道帰り花
歌子
9
子らはしゃぎ銀杏落葉蹴り走る
あらまち一駒
10
境内は銀杏落葉の一つ色
丑郎
11
銀杏落葉童は駆けり犬のごと
法被衣
12
銀杏落葉樹齢の深さ踏みしめる
歌子
13
秋晴や施無畏与願の観世音
祥雲
14
秋晴やろくろ鉋の削り音
丑郎
15
秋晴れを隅まで吸ふや土手の上
法被衣
16
秋晴れや五千歩刻む万歩計 
歌子
17
白壁の杉玉つげる新酒かな
祥雲
18
跡取りの娘杜氏の新酒かな
丑郎
19
蔵の菌杜氏の訛りで新酒かな
あらまち一駒
20
新酒利く神妙な面(つら)赤ら顔
法被衣
21
こだわりの新酒一杯神棚へ
歌子
22
産み終えて落鮎生を全うす
祥雲
23
落鮎や小屋に古りたる袋たも
丑郎
24
落鮎やきらめき描く竿の先
法被衣
25
鮎落ちて白神の水飛沫あぐ   
歌子