●朝戸風選 【10, 30, 43, 55, 64, 85, 86】
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10 四つ角のタバコ屋閉じて年の暮れ
さみしい町の様子が目に浮かびます
さみしい町の様子が目に浮かびます
30 白菜の精ごと包む古新聞
みずみずしい白菜の感じがあらわれています
43 着膨れの影戯るる親子かな
ほんわかと暖かい感じがします
55 先客の猫に遠慮の炬燵かな
あたたかい感じがします
64 忘年会こもごも悲喜を併せ呑む
忘年会のにぎやかさ、おしゃべりの様子が目に浮かびます
85 湯をそそぐだけのそばにて年を越す
インスタントの間に合わせ、でも一応年越しは食べる。単身赴任?独身?
86 年越しのそばの長きに立ちあがる
一年の長さを思い返している感じでしょうか
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85 湯をそそぐだけのそばにて年を越す
母は「独身だろうね」と言っていましたが、
私はそうは思いません。
単身赴任で今年の正月は仕事が忙しく、帰省できない男が、
寮の部屋で・・・不精なんだが、「まあ、形だけでも年越しを」
といった気持ち。
また、逆に息子、娘が都会にとついでしまい、今年の正月は
なんだかんだと言い訳をして実家に寄り付かない。
孤独なさみしいお年寄りの正月なんかも連想されます。
朝戸風 代理
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2●朝戸風さんの作品 12月13日
2 この月日押され流され年の暮れ 【朝戸風】
15 ひとり寝の夜具の衿引くすきまかぜ 【朝戸風】
28 白菜をはむやシャキリと妻若し 【朝戸風】
41 着ぶくれて人みな無口となりにけり 【朝戸風】
53 それぞれの居場所定まるこたつかな 【朝戸風】
65 忘れえぬ事もありけり忘年会 【朝戸風】
77 年越しの蕎麦や安都の湯気かおる 【朝戸風】