●祥雲さん選
祥雲選【9、18、31、43、54、79、87】
9 生かされてお蔭で無事に年の暮れ
「生かされて」に作者の心情が溢れ、
平明ながらしみじみとした情感の滲む良句です。
18 隙間風気づかぬふりで米をとぐ
31 朝もやに白菜つける白い息
共感の選です。昔実家の祖母や母が白菜や大根を漬けていた姿を
思い浮かべます。「白」が二つあって新鮮な感じが伝わって来ます。
43 着膨れの影戯るる親子かな
微笑ましい親子の景の良句です。「影戯るる」が効いています。
54 小夜更けの炬燵に足や小宇宙
共感の選です。昔の実家の掘炬燵はこうでした。
「小」の重なりが響きを良くしています。
79 清々と年越しそばの席にあり
共感の選です。一年の垢をきれいさっぱりと落して、年越しそばの席に着いた
心情が巧く表現されています。
心情が巧く表現されています。
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●祥雲さんの作品
1●祥雲さん作 12月12日
1 ことことと黒豆を煮る年の暮 【祥雲】
14 幼子は目貼りに指を隙間風 【祥雲】
27 さくと刃を入れし白菜真二つに 【祥雲】
40 着ぶくれに身動きとれぬ電車中 【祥雲】
52 気が付けば皆寄り添いし堀炬燵 【祥雲】
64 忘年会こもごも悲喜を併せ呑む 【祥雲】
76 昔日の父母の作りし晦日蕎麦 【祥雲】