顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

祥雲さん選 第37回

●祥雲さん選
 
  祥雲選【9、18、31、43、54、79、87】
 
 9 生かされてお蔭で無事に年の暮れ

   「生かされて」に作者の心情が溢れ、
   平明ながらしみじみとした情感の滲む良句です。

 
18 隙間風気づかぬふりで米をとぐ

   物理的な風と心理的な風を重ねた巧みな句です。
   冷たい水でせっせと米をといでいる姿が浮かびます。
 
 
31 朝もやに白菜つける白い息

   共感の選です。昔実家の祖母や母が白菜や大根を漬けていた姿を
   思い浮かべます。「白」が二つあって新鮮な感じが伝わって来ます。
 
 
43 着膨れの影戯るる親子かな

   微笑ましい親子の景の良句です。「影戯るる」が効いています。

 
54 小夜更けの炬燵に足や小宇宙 

   共感の選です。昔の実家の掘炬燵はこうでした。
   「小」の重なりが響きを良くしています。

 
79 清々と年越しそばの席にあり
 
   共感の選です。一年の垢をきれいさっぱりと落して、年越しそばの席に着いた
   心情が巧く表現されています。

 
87 子の言葉日に日に増えり晦日そば

   共感の選です。私は孫の言葉が日に日に増えてきて楽しみですが、
   晦日そばを食べながら、子の成長に目を細めている姿が彷彿とします。 
   
       
 
 
 
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●祥雲さんの作品
 
1●祥雲さん作 12月12日

1  ことことと黒豆を煮る年の暮  【祥雲】
 
14 幼子は目貼りに指を隙間風   【祥雲】
 
27 さくと刃を入れし白菜真二つに 【祥雲】
 
40 着ぶくれに身動きとれぬ電車中 【祥雲】
 
52 気が付けば皆寄り添いし堀炬燵 【祥雲】
 
64 忘年会こもごも悲喜を併せ呑む 【祥雲】
 
76 昔日の父母の作りし晦日蕎麦  【祥雲】