第６０回 １１月句会選句

　　　　　　羽
   １　早生蜜柑まず絵手紙のご挨拶　　　　【牛郎】

 

　　　　　　道　　牛
　２　過疎の村華やかにして早生蜜柑　　　【歌子】

 

　　　　　　葉
　３　相談は起承転転早生蜜柑　　　　　　　【羽林】

 

　　　　　　歌　法　羽
　４　早生蜜柑語尾の切れよき和服客　　　【風葉】
　　　　
　　　　　　法
　５　耕して天に至るや櫁柑山　　　　　　　　【祥雲】

 

　６　休日や何をしようか早生蜜柑　　　　　【しらぶる】

 

　　　　　　葉
　７　電球の影それぞれに早生蜜柑　　　　　【法被衣】

 

             祥
　８　夫亡くも手籠明るい早生みかん　　　　　【道草】

 

　９　古希迎え呆け予防かな木の実独楽　　　【牛郎】

 

　　　　　　牛
１０　山の子の分け前もらふ木の実かな　　　　【歌子】

 

１１　木の実降る学生街の様変り　　　　　　　　【羽林】

 

１２　木の実落ち大地と空に抱かれる　　　　　【風葉】

 

１３　目を閉じてふるさと想う木の実雨　　　　　【祥雲】

 

　　　　　道
１４　エプロンの中から木の実ぱっと出し　　　【しらぶる】

　　　　　祥　歌　羽
１５　静けさや林の縁に木の実落つ　　　　　　【法被衣】

 

　　　　　牛　葉
１６　母を追ふ子に握らせし木の実ごま　　　　【道草】

　　　　　法
１７　冬耕を催促するか里鴉　　　　　　　　　　【牛郎】
　　
　　　　　祥
１８　幾千の祈りたれたる大銀杏　　　　　　　【歌子】

 

　　　　　葉
１９　菓子舗には徳用袋小春かな　　　　　　【羽林】

 

　　　　羽
２０ 冬木原葉と葉の別れ見ていたり　　　　【風葉】

 

　　　　道　歌　法
２１　孕みたる蟷螂しかと瓦礫行く　　　　　【祥雲】

 

　　　　牛
２２　大空に矢印描いて小鳥来る　　　　　【しらぶる】

 

　　　　道
２３　コスモスの逆らい直る風や風　　　　　【法被衣】

 

　　　　祥　歌
２４　洋館の朝日に陰る蔦紅葉　　　　　　　【道草】