1 菅笠の五つ並べる茶摘かな 【祥雲】
牛 駒
2 北斎の版画のような卯波かな 【祥雲】
法
3 隣国の船居並びて卯波たつ 【歌子】
4 頬かむり赤いたすきの茶摘み歌 【歌子】
5 源流は鈴鹿山脈新茶摘む 【牛郎】
6 休日はすぐ昼になる豆ごはん 【牛郎】
◎牛
7 貧しさや異国に茶を摘む子の素足 【法被衣】
駒
8 卯波光りサーファーの群れ無言なり【法被衣】
9 茶の間で茶摘眺める老婆かな 【一駒】
10卯波立つヒラメつけ丼鯵ヶ沢 【一駒】
11蓋とれば緑あふれる豆の飯 【祥雲】
◎ 駒
12華やぎは過去葉桜の緑濃き 【歌子】
祥 歌
13葉桜や湖の風くる浮御堂 【牛郎】
歌 牛
14葉桜の日に日に深き森となる 【法被衣】
祥 歌
15葉桜の下に喧騒隠れたり 【一駒】
16昔一升豆飯今は二合少々 【歌子】
◎法
17有休や一家総出の田植えかな 【一駒】
祥
18朝暗く豆飯握り早出かな 【一駒】
19母の日に逢ふ母笑顔あどけなき 【牛郎】
20元気だった友倒れたと郭公の朝 【歌子】
21葉桜や手押し車の母のせな 【祥雲】
22不揃いの麦の穂の背に地平線 【法被衣】
法
23卯波寄す葦原揺れる頭首口 【牛郎】
◎歌 法
24青梅やややのお尻の五つ六つ 【祥雲】
◎祥 牛 駒
25豆飯に窓開け放ち風も喰ふ 【法被衣】
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選句・選評・感想
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祥雲選 【13,◎25,18,15】
13 葉桜や湖の風くる浮御堂
琵琶湖畔・堅田の景でしょうか。「琵琶湖周航の歌」が
聞こえてくるような気がします。
◎25 豆飯に窓開け放ち風も喰ふ
「風も喰ふ」が誠に良く効いている、幸せ感
漂う良句です。
18 朝暗く豆飯握り早出かな
早朝勤務のために、出先で簡便に食べられる
ように握り飯にしたのでしょうか。生活感が
溢れる良句です。
15 葉桜の下に喧噪隠れたり
喧噪を隠すほどに葉桜が茂ってきたという、
季節感が生き生きと表現された良句です。
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歌子選 【◎24, 14,15,13】
◎24 青梅やややのお尻の五つ六つ
やが三つも並ぶ工夫の上、なんともかわいすぎる句、
緩んだ口元がいつまでも閉まらず、ハッピイな気分に
させられます。
14 葉桜の日に日に深き森となる
緑が膨れ上がってくる様子が、目に見える
ようで、観察力、表現ともお見事です。
15 葉桜の下に喧騒隠れたり
都会の喧騒を包み込む木々の通りが目に浮かびます。
表参道のうっそうとした並木道が浮かんできました。
13 葉桜や湖の風くる浮御堂
葉桜が濃くなり、そこへ心地いい湖の風が吹いている、
そんな水辺の風情が 絵を観るように浮かんできます。
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あらまち一駒選【2,8、◎12,25】
2 北斎の版画のような卯波かな
卯波に北斎が写ってるような句でいいですね
8 卯波光りサーファーの群れ無言なり
波に乗ろうと潜めて海に浮かんでる姿に感動
◎12 華やぎは過去葉桜の緑濃き
時の移ろいをピッタっと想像させる素敵な句です
25 豆飯に窓開け放ち風も喰ふ
美味しく香ばしく豆ご飯ができたあって言い放っ
てる感じの句で豆ご飯私も食べたい
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牛郎選【2、◎7、14、25、】
2、北斎の版画のような卯波かな
富岳三十六景「波間の富士」印象深いです。
◎7、貧しさや異国に茶を摘む子の素足
セイロン(スリランカ)島での子供たちの
生活写真で見たことがあります。
14、葉桜の日に日に深き森となる
満開の頃と違って人影がなくな静けさが
感じ取れます。
25、豆飯に窓開け放ち風も喰ふ
下五、風も喰ふに豆飯の美味しさが倍増
しました。
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法被衣選【3,◎17,23,24】
3隣国の船居並びて卯波たつ
島国の日本も海で世界につながっている
事を再認識した句です。
◎17有休や一家総出の田植えかな
有給休暇を使っての田植えの手伝いでしょうか。
一家総出、小学生には楽しい思い出になる事でしょう。
24 青梅やややのお尻の五つ六つ
赤ん坊のお尻、蒙古班という青いあざが
ある事を思い出しました。
23 卯波寄す葦原揺れる頭首口
静かな湖の光景が浮かんできます。
頭首口は頭首工?