顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第161回 5月句会 投稿作品、選句、鑑賞感想、作者

 

1 菅笠の五つ並べる茶摘かな    【祥雲】

   牛  駒

2 北斎の版画のような卯波かな   【祥雲】

   

3 隣国の船居並びて卯波たつ   【歌子】

 

4 頬かむり赤いたすきの茶摘み歌 【歌子】

 

5 源流は鈴鹿山脈新茶摘む      【牛郎】

 

6 休日はすぐ昼になる豆ごはん      【牛郎】

    ◎牛

7 貧しさや異国に茶を摘む子の素足 【法被衣】

     

8 卯波光りサーファーの群れ無言なり【法被衣】

 

9 茶の間で茶摘眺める老婆かな   【一駒】

 

10卯波立つヒラメつけ丼鯵ヶ沢  【一駒】

 

11蓋とれば緑あふれる豆の飯       【祥雲】

 

          ◎ 駒

12華やぎは過去葉桜の緑濃き     【歌子】

 

   祥 歌

13葉桜や湖の風くる浮御堂       【牛郎】 

 

   歌 牛

14葉桜の日に日に深き森となる   【法被衣】

   祥 歌

15葉桜の下に喧騒隠れたり       【一駒】

 

16昔一升豆飯今は二合少々        【歌子】

   ◎法

17有休や一家総出の田植えかな    【一駒】 

   祥 

18朝暗く豆飯握り早出かな     【一駒】

 

19母の日に逢ふ母笑顔あどけなき  【牛郎】

 

20元気だった友倒れたと郭公の朝  【歌子】

 

21葉桜や手押し車の母のせな    【祥雲】

 

22不揃いの麦の穂の背に地平線   【法被衣】

    

23卯波寄す葦原揺れる頭首口    【牛郎】

    ◎歌 法

24青梅やややのお尻の五つ六つ   【祥雲】

    ◎祥 牛 駒

25豆飯に窓開け放ち風も喰ふ    【法被衣】

 

 

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     選句・選評・感想

 

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祥雲選 【13,◎25,18,15】

 

13 葉桜や湖の風くる浮御堂

琵琶湖畔・堅田の景でしょうか。「琵琶湖周航の歌」が

聞こえてくるような気がします。

 

◎25  豆飯に窓開け放ち風も喰ふ

「風も喰ふ」が誠に良く効いている、幸せ感

 漂う良句です。

 

18 朝暗く豆飯握り早出かな

早朝勤務のために、出先で簡便に食べられる

ように握り飯にしたのでしょうか。生活感が

溢れる良句です。

 

15 葉桜の下に喧噪隠れたり

喧噪を隠すほどに葉桜が茂ってきたという、

季節感が生き生きと表現された良句です。

 

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歌子選 【◎24, 14,15,13】

 

◎24 青梅やややのお尻の五つ六つ   

やが三つも並ぶ工夫の上、なんともかわいすぎる句、

緩んだ口元がいつまでも閉まらず、ハッピイな気分に

させられます。

 

14 葉桜の日に日に深き森となる   

緑が膨れ上がってくる様子が、目に見える

ようで、観察力、表現ともお見事です。

 

15 葉桜の下に喧騒隠れたり      

都会の喧騒を包み込む木々の通りが目に浮かびます。

表参道のうっそうとした並木道が浮かんできました。

 

13 葉桜や湖の風くる浮御堂  

葉桜が濃くなり、そこへ心地いい湖の風が吹いている、

そんな水辺の風情が 絵を観るように浮かんできます。

 

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あらまち一駒選【2,8、◎12,25】

 

2  北斎の版画のような卯波かな

卯波に北斎が写ってるような句でいいですね

 

8  卯波光りサーファーの群れ無言なり

波に乗ろうと潜めて海に浮かんでる姿に感動

 

◎12 華やぎは過去葉桜の緑濃き 

時の移ろいをピッタっと想像させる素敵な句です

 

25 豆飯に窓開け放ち風も喰ふ

美味しく香ばしく豆ご飯ができたあって言い放っ

てる感じの句で豆ご飯私も食べたい

 

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牛郎選【2、◎7、14、25、】

 

2、北斎の版画のような卯波かな        

富岳三十六景「波間の富士」印象深いです。

 

◎7、貧しさや異国に茶を摘む子の素足   

セイロン(スリランカ)島での子供たちの

生活写真で見たことがあります。

 

14、葉桜の日に日に深き森となる       

満開の頃と違って人影がなくな静けさが

感じ取れます。

 

25、豆飯に窓開け放ち風も喰ふ        

下五、風も喰ふに豆飯の美味しさが倍増

しました。 

 

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法被衣選【3,◎17,23,24】 

  

3隣国の船居並びて卯波たつ

島国の日本も海で世界につながっている

事を再認識した句です。   

 

◎17有休や一家総出の田植えかな 

有給休暇を使っての田植えの手伝いでしょうか。

一家総出、小学生には楽しい思い出になる事でしょう。

 

24 青梅やややのお尻の五つ六つ

赤ん坊のお尻、蒙古班という青いあざが

ある事を思い出しました。 

 

23 卯波寄す葦原揺れる頭首口

静かな湖の光景が浮かんできます。

頭首口は頭首工?