顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

2021年10月句会作品・選句・作者

   牛

1 銀輪や秋気の湖辺めぐりゆく           【祥雲】

 

   駒

2 秋気めき闇にうごめく古代跡      【道草】

 

  祥 歌 道

3金粉がほろり落ちそな十三夜             【一駒】

 

  

4万歩計も杖も紅いろ初紅葉       【歌子】

 

5原酒倉の眠る原酒に秋気満つ           【牛郎】

 

6秋気満つ田に煙立つ夕べかな               【法被衣】

 

7車窓よりインスタ映えの初紅葉        【道草】

 

8徘徊や何処にいるんだ秋時雨         【一駒】

 

9紅林檎凝視する眼の罪深き         【歌子】

 

        祥 駒

10 富岡の煉瓦の壁に秋時雨     【牛郎】

 

   牛

11 つぎはぎの稲田を濡らす秋時雨  【法被衣】

 

12 新宿裏の赤ちょうちんや秋時雨   【祥雲】

 

13 十月の別れのメール機械音     【道草】

 

14 公約や10月の嘘選挙かな        【一駒】

 

    駒 道 牛

15 効くと聞き昨日も今日もキノコ汁  【歌子】

 

    祥 ◎法

16 柚子の実や旧家並びて同じ姓    【牛郎】

 

17 10月や退院の報老兄弟         【法被衣】

 

    

18 秋晴や勇み太鼓の足袋きつし      【道草】

 

19 際立って茸カラフル見えぬ毒           【一駒】

 

    祥 法

20 古宿に水琴窟の秋気かな     【歌子】

 

    駒

21 十月やクロスの色を変へてみる       【牛郎】

 

22 スーパーに居並ぶ茸整いて       【法被衣】

 

   ◎道

23 紅色のこども心のたまご茸       【祥雲】

 

24 秋時雨植え替え株の艶めきて    【道草】

 

    歌 ◎牛

25 病得て余命儚く初紅葉           【一駒】

 

   ◎駒 道

26 有難うはさよならの意味秋時雨  【歌子】

 

27 札入れは長老一人茸山           【牛郎】

 

28 曇天に肩身狭きか初紅葉          【法被衣】

 

29 富士五湖の湖面に映る初紅葉    【祥雲】

 

    ◎歌 法

30 わらわらと千の稲子の飛び立てり 【祥雲】 

 

31 下山して開けてかけらの茸かな  【道草】

 

    ◎祥 歌 法

32 秋気満つ津軽大地は黄金色    【一駒】

 

33 10月や山に行かうか海にしよか      【歌子】

 

34山門のここにいつもの初紅葉             【牛郎】

 

35ひさびさに兄弟集い新酒空く            【法被衣】

 

   歌 牛

36十月の漉き雲掃き雲ぼかし雲         【祥雲】

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

      選句・感想

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

  • 祥雲選 【3,10,16,20,◎32】

3 金粉がほろり落ちそな十三夜

  面白い斬新な表現が十三夜に合っています。詩的な表現が好ましいと思います。

 

10 富岡の煉瓦の壁に秋時雨

官営富岡製糸場の赤煉瓦に秋時雨。往時を偲ばせる風情がいいと思います。

 

16 柚子の実や旧家並びて同じ性

    同じ性の旧家。勢いのあった地域でしょうか。鮮やかな黄色の柚子の実が調和しています。

 

20 古宿に水琴窟の秋気かな

    馬籠宿のような鄙びた所の宿を想像させる良句です。水琴窟が侘しさを際立てています。

 

 

◎32 秋気満つ津軽大地は黄金色

    津軽平野に黄金色の稲穂が満ち満ちている景を想像します。幸せ感が溢れる良句です。

 

              

一駒選 【2,10,15,21,◎26】

2  秋気めき闇にうごめく古代跡 

ジメジメし何か感じる霊気

 

10 富岡の煉瓦の壁に秋時雨 

煉瓦に雨で濃い煉瓦色に向寒を忍ばせてる様子に好感

 

15 効くと聞き昨日も今日もキノコ汁

何にこのキノコは効くんでしょう好奇心が湧く

 

21 十月やクロスの色を変へてみる

クロスの衣替えかな

 

◎26 有難うはさよならの意味秋時雨 

中島みゆきの歌の文句です。

 

 

 

歌子選【3,25,◎30,32,36】

3  金粉がほろり落ちそな十三夜 

   なんて美しい表現だ事

 

25 病得て余命儚く初紅葉    

  余命の儚さと初紅葉の美しさとはかなさの取り合わせが切ない

 

◎30 わらわらと千の稲子の飛び立てり

  稲子が音を立てて飛び立つ驚きと凄さが伝わってきます。

 

32 秋気満つ津軽大地は黄金色  

   津軽に住む人の共感。形のない素晴らしい季語が、映像化されて感動的です。

 

36 十月の漉き雲掃き雲ぼかし雲  

   雲にこういう呼び名がある面白さにひかれます。

 https://search.yahoo.co.jp/image/search?rkf=2&ei=UTF-8&gdr=1&fr=wsr_gs&p=10%E6%9C%88%E3%81%AE%E9%9B%B2(10月の雲)

 

【4】道草選 【3,4,15,◎23,26】

 

3  金粉がほろり落ちそな十三夜

金粉がほろりとファンタスティックな世界に誘われます。

 

4  万歩計も杖も紅いろ初紅葉 

健康な体を維持するための活力と前向きな明るさが感じられます。

 

15 効くと聞き昨日も今日もキノコ汁  

キノコ汁にはまっている様子がうかがわれます。

 

◎23 紅色のこども心のたまご茸 

こども心がフレッシュです。

 

26 有難うはさよならの意味秋時雨 

別れの様子をさらりと詠んでいます 

 

【5】法被衣選【◎16,18,20,30,32】

 

◎16 柚子の実や旧家並びて同じ姓

長野の岡谷市には小口姓がとても多かった事を思い出します。

風格のある街並みを彷彿とさせてくれる句です。

 

18 秋晴や勇み太鼓の足袋きつし

足袋きつしから、祭りに真新しい足袋をおろしたのかとの想像へ思いが飛びます。   

 

20 古宿に水琴窟の秋気かな

水琴窟の金属的な音を聴くのには周囲の静けさもセットですね。

句から音の記憶が蘇ります。         

 

30 わらわらと千の稲子の飛び立てり

歩く先にイナゴが跳び逃げる見事な写生句です。  

 

32 秋気満つ津軽大地は黄金色 

黄金色に実った稲穂の広い大地、大きな青空とセットですね。    

 

【6】 牛朗選【1、11、15、◎25、36、】

  • 銀輪や秋気の湖辺めぐりゆく  
  • 外出自粛が緩和になり念願の琵琶湖一周巡り参加します。

 

11、つぎはぎの稲田を濡らす秋時雨    

米農家のとってこの時期恨みの雨です。

 

15、効くと聞き昨日も今日もキノコ汁     

高齢者にとって一番の健康、覚えがあるだけに頂きました。

 

◎25、病得て余名儚く初紅葉          

寿命は神のみぞ知ると聞きます、今生きる事に楽しみを見つけます。

 

36、十月の漉き雲掃き雲ぼかし雲     

 雲の種類勉強になりました。