顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

第17回 選句選評

 お待たせしました。選句選評がそろいました。

  
 
 



★J次郎選 【 4・13・21・24・28】

選評

04 古新聞ひろげし上で蕨狩

      ★ おやじさんが採ってきたのか、むすこさんが採ったのか

         もぉ、育ちすぎたのは筋張って固いんだから、と

         文句をいいながら選りわけている情景が目にうかびます。
 

13 卒寿母の女心か春日傘

       ★春日傘の句は同じような趣意の作品が多く

        どれを選ぼうか迷いました。

        これはすこし趣がことなっていて、さらに

        子のやさしい気持ちがあらわれていると感じましたので


21 いよいよと田植え機まえに気もあらた

       ★ 新の兼題もまた、同趣が多かったのですが

         これが春の気分をとても感じさせてくれると思いました。


24 髪染めてすこしきどって春日傘

       ★浮き立つ気分がリズムよく詠われていると感じました。

         声に出してリズムのよいのが選句の理由です。


28 草餅を食べて黄な粉の口紅が

       ★これは、おもしろさの句ですね。きっとうたこさんの句でしょう。

        今回は、「おもしろさ」の句が少ないように思いましたので

        さびしく思います。



選外ですが気になったのが

26 廃屋を伝いのぼりて藤の花

       情景はわかります。でも・・なんというのでしょうか

       廃屋のうらさびしさがいまいちだと

       たぶん、つたいのぼりて、が弱いのだと思います。











★歌子選 【 19・22・26・29・36】


19 土曜日をまつ身こよいのはるあらし 

 ★『土曜日を待つ』と『春嵐』が想像力をかきたてますが、全部平かなにしているの        
        で、色っぽとか危うい感じがしない。

        『今宵の春嵐』となると『待つ身』をうけてどきどきするけど、平かなだけだから

        そういう感じがまったく抜けて軽ろやか。

        娘が実家に戻ってくると、あれもこれももっていかれてしまうので、

        大急ぎで片付けている?そんな落語をちらっと思い出したりして。。。

       
22 春日傘閉じてこぼるる花幾重  

      ★ドラマのワンシーンを見ているようで、ちょっと立ち止まっちゃいました。

        雪でもなく、雨でもなく 花びらだもんね~~。素敵な句。花は季語なんだけど

        花幾重・・これはどうなんだろうな。万が一季語重なりでも、これは好きだなあ。



26 廃屋を伝いのぼりて藤の花    

      ★廃屋を伝いのぼって咲いている藤の花の風景

       が、絵のように目に浮かびました。もし実風景だったら、

       ぜひどんなのか、ぜひ観てみたいと思いました。


29 新旧の門出見送る花吹雪 

      ★転勤、転入、あるいは退職、入社の送別と歓迎の時期と

       かさなった悲喜こもごも。桜が似合いますね。


36 振り返りのぞいて見たき春日傘   

      ★うふふ、ほんとね。日傘なんかをかぶっている人って、

       きっと女らしくて色が白くて、繊細な感じの美しい人に違いない

       そんな思い込みがあるものだから、わたしもついこんな気持ちになります。










★しらべる選 【 2・8・13・21・38】


2 花粉症新人ナースの針震るる
    
     ★○おお怖

8 春日傘さした女性もマスクなり
 
     ★取り合わせに○ 

13 卒寿母の女心か春日傘
    
     ★おしゃれ気に○


21 いよいよと田植え機まえに気もあらた

     ★○そんな時期かと教えてくれる


38 新入生帽子のつばに花一重

     ★ つばにひとひら











★法被衣選  【 1・ 4・3・30・18】



1 くるくると昔のおてんば春日傘 


     ★陽気になる気持ちがわかり過ぎるような季節の到来。

      詞が一つもないのに浮き立つ気持ちを見事に表現していますね。



4 古新聞ひろげし上で蕨狩

     ★収穫してきた蕨を古新聞に広げて選別。

      それを蕨狩りという表現が新鮮です。


3 塀越しに歩く模様や春日傘

     ★傘の上部だけが通り過ぎていく面白さ。

      傘の主への思いが膨らみます。


30 すれ違い傾げて会釈春日傘

     ★何ともほほえましい日本的な光景です。

      見ている方も気持ちが和みます。


18 春日傘玉藻公園壁白し

     ★高松城の白壁がまぶしい季節になりました。

      横の広さを感じる映像的な句だと思いました。



★★★ 選句外気なった句 ★★★

21 いよいよと田植え機まえに気もあらた

     農業に関わる心意気が伝わってくるストレートさが気持ちよいです。


27 菜の花や過疎の一村華やぎぬ

    もうちょっとインパクトがあるといただきました。
    
    勝手に盗作

    菜の花や過疎の一村塗り替える 


28 草餅を食べて黄な粉の口紅が

   はい、よくあります。
 
   草餅の黄な粉にむせるあわてもの^0^)


35 春の風みみず脅かし庭畑

   庭の土をいじるとみみずのダンス、懐かしいです。


33 通院に荷物が増えた春日傘

   春日傘を差すと確かに手が足りなくなりますね。


2 花粉症新人ナースの針震るる

   新人ナースが花粉症なのか、針を打たれる側が花粉症なのか

   ちょっとわかりませんが、緊張感があるのになぜか滑稽な光景です。



24 髪染めてすこしきどって春日傘


   何か催し物があるのでしょうか。

   女性ならではのうきうき感が伝わってきます。


26 廃屋を伝いのぼりて藤の花

   誰も住んでいない廃屋に見事なほどの藤の花。

   光景がわびしいのか、藤の花に圧倒されたのか定かではありませんが

   勝手な妄想は  廃屋を覆いつくすか藤の花


その他新一年生を詠んだ句も多数ありました。

言いたいことは痛いほどわかるのですが表現がなかなか難しいですね。

それでも

尽きもせず十七文字のすばらしさ

           生む苦しみも永久に続くと

と言ったところでしょうか。










★牛朗選【 8・30・36・9・10】

8  春日傘さした女性もマスクなり   

      ★この時期、街中でも行楽地でもマスクの人多いですねぇ。


30 すれ違い傾げて会話春日傘    

      ★庭の生垣からこんな光景よく見ます。


36 振り返りのぞいてみたき春日傘  

      ★ガッカリした事 あります。


9 春の夜新星さがしに夢を追う   

      ★ナンチャラ彗星接近の時天体望遠鏡買うたなぁ出してみよう。


10 ランドセルだけが歩くよ新入生  

      ★初孫の初登校日を思い出します。   











★ 島ちゃん選 【 13・22・27・34・28】



13 卒寿母の女心か春日傘 

      ★何歳になっても女らしさを失わない母の姿を捉えた句でいいですね。

22 春日傘閉じてこぼるる花幾重

      ★見過ごしてしまいそうな情景をすばやく掬い取った素敵な句だと思いま 
    
       ます。

27 菜の花や過疎の一村華やぎぬ

      ★一面の菜の花がさびしい村を一時華やかにしてくれるそんな情景でし 

       ようか。

34 春日傘花の影絵に君まぶし 

      ★花の影絵という表現がいいです


28 草餅を食べて黄な粉の口紅が

      ★黄な粉の口紅が目に見えるようでおもしろい句でいただきました。








               


★木庭ちゃん選 【3・11・14・18・27】
 

3 塀越しに歩く模様や春日傘

      ★何か昔の映画で見たシーンが浮かんできました。


11 スキップと出会う裏道沈丁花

      ★そうそう・・こんな裏通りがありますね・・

14 八重桜一歩遅れて主役かな

      ★ 色よしもちよし八重桜・・好きだな~

18 春日傘玉藻公園壁白し

      ★ 白い壁と晴れた青い空そして日傘  一服の絵ですね

27 菜の花や過疎の一村華やぎぬ

      ★ う~~ん・・状景が見えます・・










★風智選 【20・24・35・36・40】


20 色白の三姉妹なり春日傘

      ★やっぱり色白で春日傘似合いますよね。頂きました。



24 髪染めてすこしきどって春日傘

      ★ 女性ならはですね。「少しきどって」頂きました。

35 春の風みみず脅かし庭畑

      ★ 「みみず脅かし」う~~ん。頂きました。

36 振り返りのぞいて見たき春日傘

      ★ 同じくww僕の心よまれたような・・頂きました。

40 雪ノ下新たな命時を待つ

      ★生命力を感じました。












★かんな選 【13・17・22・29・39】


13 卒寿母女心か春日傘

      ★90歳になってもまだ女心をもっているなんてステキですね
  
       願望もこめていただきました。

17 干物干す手にも優しくはるの風

      ★干物は寒風に干したのが美味しいですが、仕事として考えると
  
       かなりきつい仕事ですね。作者の優しさを感じます。

22 春日傘閉じてこぼるる花幾重

      ★ きれいな作品ですね。
   
        閉じてこぼるる花幾重 なんてすてきな表現なのでしょう。

29 新旧の門出見送る花吹雪

      ★ うんうんと頷いてしまいました。

39 春うらら午後の一服庭畑

      ★ 気持ちがいいのが読んでいて、こちらにも伝わってきます。