●法被衣選 (46,20,3,38,44)
46 蝉ひとつ望み遂げたか灼けた道
アスファルトの道に蝉が一匹仰向けに倒れています。
精一杯ひと夏を生きて、この世に未練はないと。
小さな命に対するやさしさを感じます。
20 靴脱ぎて枝豆食みし子ら憩うふ
子ら憩ふ?
脱ぎ捨てられた靴がなぜか行儀悪く散らかって。
ひょっとして手も洗ってないかも。
そんな事にはとんちゃくしない子供たち、かな?
3 書いてすぐ閉じた日記の鳳仙花
なんだかこの気まぐれさが暑い時期にはよろしい
と思います。
38 写生会緑陰に皆集まりぬ
日差しがきついところでの写生はご勘弁という
ユーモラスな光景ですね。
写生会ではなく吟行だったら怒られそうですね^0^)
44 もう出るのあわてん坊の鰯雲
空には秋の気配。
自然は正直ですがあわてん坊もいるということですね、
楽しい句です。
その他気になった句
10 八本の手が行く先に枝豆が
こちらも手を出したい気分です。
そこで盗作
☆枝豆の山に群がる手やいくつ
35 枝豆は皿よりこぼれてエメラルド
エメラルドがきいています。
枝豆のサヤより光沢のある豆を想像します。
そこで盗作
☆枝豆の鞘より覗くエメラルド
今回鳳仙花がはじけるというのを思い出しました。
ちょっと調べるまで、鳳仙花がどんな花なのか忘れておりました。
いやあ、教養深まります^0^)
枝豆という兼題は句の後ろに持ってきづらいですね。
自分で句をひねる時気が付きました。
後悔先にたたず・・・。
今回は自分の句とイメージと重なる句がいくつかあったので
楽しかったです。
●法被衣
4 鳳仙花葉の日傘差す艶やかさ 【法被衣】
14 八月や広島の友便り在り 【法被衣】
23 入道とピカチューの雲戯れリ 【法被衣】
32 枝豆の一粒跳びし畳かな 【法被衣】
40 緑陰に舌で息せり犬一頭 【法被衣】
・