顧問のいないネット俳句

句会の流れ①その月の兼題を使った俳句を25日必着で投稿します。                     ②ブログに全作品が公開されます。                          ③投稿した人は自分以外の作品番号を選句し3日以内に編集者へ送ります。        ④このあとのことはその後のブログに必要事項を載せます。

J次郎2選  第24回

●J次郎2選 【11 13 14 36 61】

自分の駄句は棚に上げ、選評をば

今回は、選句に苦しみました。

今までは、ずらっと斜めにいい加減に読んでも

ぱっと目につく句がありました。

ところが、今回は、飛びぬけて目に止まる作品が無いのです。

「言葉の捻りが少なく」「思いをストレートに」出しているために

おやっと、目が立ち止まらないのです。

ストレートにひねらずに作句することが、いけないとは言えませんが

どうしても「平凡」に見えてしまいます。

言葉に限らず、絵画でも写真でも、最も難しい表現は

「平凡に見える非凡」でしょう。

はたして、非凡はあるのでしょうか?



11.湯豆腐や夫はのらりと生返事

     豆腐のやわらかさ、と、「のらり」の連携をかいました。

     1.湯豆腐や妻はあぐらをかひてをリ が対句のようですが

     11は、句のなかに登場しない「妻のいらだち」があると思います。



13.白き手が湯豆腐掬ふ朱の蓮華 

     白と朱の色の対比のおもしろさですね。

     ただ、湯豆腐も白なので、すこし対比が薄められてしまった。

     と残念ですね。

    「手弱女が、湯豆腐すくう、朱のレンゲ」JJ2(改竄)



14.湯豆腐を一人ぼんやり雨の日に

     どうも、私には湯豆腐とは、小鍋立ての一人前のイメージ、

     になってしまうのです。

     そうすると、なにをするでもない、たいくつな雨の日に

     一人きりで、湯豆腐をつつく。のはとても、イメージどおり、

     になります。



36.宵闇に流行り歌など口ずさみ

     街燈から街燈までの距離が長く、闇に等しい道では、

     つい独り言を言ったり、知ってる曲のフレーズを

     スキャットしないと、なんだか落ち着きません。

     ただ、J次郎は「♪宵闇迫れば・・」と、ひどく昔の

     流行歌しか出ませんが

    「宵闇に、昔の流行りが、口に出る」JJ2(連想)



61.人影も寂しき雨の七五三

     こんな情景は、すんなりとイメージできます。

     しかし、「寂しき」と情をストレートに出さなくても、

     よかったのではないか。とも思います。

    「雨が降る降る城ヶ島、利休鼠の雨が降る」と昔の流行歌

     を口ずさんだりして

    「人も石も、グレーに雨の、七五三」JJ2(剽窃








気になった句は

23.衣ぎぬの別れの夜は湯豆腐を ・・・・

     衣ぎぬ「きぬぎぬ」と読めば良いのでしょうか

     きぬぎぬ、は古語の「後朝」で情事の後の朝を意味します

     いささか、朝と夜で時間が離れすぎている。と感じられます。
    
     ついでに


22.衣ぎぬの別れを舫へ湯豆腐に

     舫へ「もやえ」・・うーん朝から湯豆腐を二人でつつくのかぁ

     二人をつなぎとめるのが豆腐では、鎹も役に立つのだろうか?

     と心配になります。



6.湯豆腐とあなたが恋しいこんな夜は

     うーん。先月も先々月もこんなイメージの句があったのでは

     ・・・・と既視感におそわれます


60.宵闇や漁師見送る防波堤

     イカ釣り漁でしょうか、夜中の漁に出港する風景ですね。

     ただ、見送るなら桟橋からだと思うのは、海を知らないJ次郎

     の独り決めなのでしょうか



48.宵闇を電車の窓に迎えおり

     イメージはよくわかります。明るい通勤電車の車内、

     窓の外は夕闇。ちょっとひっかかったのが「迎えおり」の

     使い方。まるで、運転士の句のようで、そういう解釈でよいのか?

     と


53.海の香のふきこぼれたるじゃっぱ汁

     この句は選句しようかどうか迷いました、J次郎は「じゃっぱ汁

     を知らないので。
     
     ちょっと検索してみたら、魚のアラで出汁をとった鍋物のこと

     らしいですね。

    「荒海が、ふきこぼれたる、じゃっぱ汁」JJ2(剽窃










●J次郎2の作品




 2.湯豆腐や昆布も尽きたりひとり酒【J次郎2】

15..湯豆腐や蓋の熱さのもどかしさ【J次郎2】

27.なでつけてそぞろ宵闇呑み屋街【J次郎2】

37.宵闇の長しが雲間に高く出る【J次郎2】

46.だだくさにおもちゃかぼちゃの売れ残り【J次郎2】(だだくさ=雑然)

54.いちょうの葉ふるなみき道ちょっと跳ね【J次郎2】

59.霧降りて谷の集落まだ明けず【J次郎2】

63.錦秋や大声出したき車中なり【J次郎2】

70.落葉が閉鎖予告す峠道【J次郎2】