1 久しぶりの青空眩し春探し
2 列島に欠伸の連鎖春深し
３ 名残掃く作務衣の僧や春深し
４ 三保からの富士の裾野の春深し
５ 春深し社の段の天に消ゆ
６ 春深し孫のおねだりナイキかな
７ 春深し鰯のつみれの夕餉かな
８ 北海の灯りまんどろ春深し
９ 農民になりきりて畑春深し
１０ 鶯の姿探して手が止まる
１１ プレー中鶯の声力みぬけ
１２ 天高く春告鳥の賛歌かな
１３ うぐいすや縄文土器に火の匂ひ
１４ 鶯や野山いずこも釈迦の住む
１５ 鶯や恋の讃歌の森に満つ
１６ マイカーの窓開けしは初音
１７ 鶯の便りは未だあどけなし
１８ 鶯やサイクリングに日は味方
１９ 孫娘１８の春は巣立ちかな
２０ 春雷や駆け込む先はてんでんこ
２１ 佐保姫の駆くる山河のきらきらす
２２ 糖尿の制限忘れ桜餅
23 たんぽぽの群れて小さき空き地かな
24 晴れ晴れと袴揺らして卒業す
25 春炬燵北海道に新幹線
26 開通の新幹線や春うらら
27 春はじめ野の香を含む風の色
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