長らくお待たせしました。
連絡まちで、発表がすっかり遅くなりましたが、
ご連絡がない方の分は、パスしたまま第13回の選句・選評
の発表をさせていただきます。
★次郎2選 【5 14 16 21 24】
選評
5 地吹雪に寄りかかりたりすべもなく◎
土地の歌そのもの。言葉のひとつひとつの力を評価します。
14 松葉蟹爪の根元の未練かな△
俳句というより川柳なんだろうけど、ユーモアたっぷりを。
16 仮住まいなれど都や松飾る△
どんな松でしょう。希望が感じられます。
21 ガラス窓息吹きかけし雪明り○
ただの写生ですが、その写生の奥になにものかがある。
24 年の暮れなぜと訊かれる転居なり○
「となりはなにを・・」の対句のような句ですね。
こちらは、深い事情を汲み取らなくては。
ええっと、うたこ当て。
困った、どれもこれもうたこさんの句に見える。
2 子のミルク冷ます窓辺に雪だるま
これは自信あり。
5 地吹雪に寄りかかりたりすべもなく
これもきっと、
ところが、候補が五つ残ってしまった。
ええい、15!!
9 ツリーにも綿雪のせて小さき幸
15 コンサート余韻引きづる冬の星
16 仮住まいなれど都や松飾る
19 陽を待ちて雪の衣を抱く庭木
25 うたかたの夢の電飾雪の港
★法被衣選 【2、11、24、16、10】
選評
2 子のミルク冷ます窓辺に雪だるま
何とも愛らしくほっとする光景。
雪だるまもひょっとしてミニサイズ?
11 門松に一言置いて懐手
正月の清々しさを感じます。
和服姿もこの時期ならでは。
24 年の暮れなぜと訊かれる転居なり
なんか不思議な感じがする句です。
16 仮住まいなれど都や松飾る
仮住まいのわけはわかりませんが、晴れやかな気持ちが伝わってきます。
10 風雪に百年の松堂々と
堂々と枝を張る松がそびえ立っていますね
《その他気になった句》
3 雪晴れて墨絵のような里の山
葉を落とした林が黒々と林立している様子が目に浮かびました。
墨絵のごときとかにすると俳句らしい?
もう一つ、雪晴れては雪やみて、か?
晴れると空の青とか色が出てしまうような気もします。
15 コンサート余韻引きづる冬の星
コンサートの後、興奮気味な気持ちに冷気が気持ちよさそう。
シリウスなのか、星のまたたきが語りかけてくるくるようです。
引きづる、のことばの響がどうか?
例=余韻を引きて、とか。
1 初雪のはかなき軽さ朝を待ち
積もりそうもない初雪らしさが軽さに言い表されているような。
朝を待ちがちょっとわかりづらいかも。
★ 島ちゃん選【9,14、16,18,25】
選評
9ツリーにも綿雪のせて小さき幸
つい触りたくなりますしあわせになれそうで、、、
14 松葉蟹爪の根元の未練かな
私も覚えがあるある共感
16 仮住まいなれど都や松飾る
我が家のように松を飾ったりして祝っているんでしょうか。しばしの仮住まいに。
18 レノン忌や忘れることの多かりき
若い頃夢中になっていたのでしょう。
でも彼らの音楽は忘れられることはないでしょう。
25うたかたの夢の電飾雪の港
キラキラと輝くものには心奪われます。しばし今を忘れます。
★歌子選 【22,5,15,11,8】
選評
22年の瀬や追われるような日々となり
「年の瀬」、「追われる」、に何かホントに切迫した思いがあらわた生活句ですね。
(でも、どうなさったのかと、気になってしまいます。ご連絡ください。)
5 地吹雪に寄りかかりたりすべもなく
北国の雪は、上から降る雪 横からなぶりつける雪 地面から吹き上げてくる雪
と、その日によってまったく表情を変えて降るのですが、地面から吹き上げてくる雪
は本当に恐ろしいのですが、実感としては横なぶりの雪のほうが、「寄りかかる」
ににあっているかなあという気がしましたが、横なぶりと地吹雪が一緒なのかもしれません
そのすさまじさを思い出して、思わずぶるぶるっときました。
15 コンサート余韻引きづる冬の星
コンサートの余韻を奏でている冬の星・・ロマンチックですね~。
2月にクラプトンのライブに行くのですが、きっとこんな感じでまた
武道館をあとにするだろうなあ~~~って、一人にやけてしまいました。
11 門松に一言置いて懐手
一言おいて・・・というのは、訪問した先がお留守なので、メモを残して
帰る姿なのか、それとも、新年のご挨拶を一言してきたという表現なのか、
この使い方、表現がいいなあ、と思いました。
新年の 身の引き締まるような空気まで感じさせて、すがすがしい
絵になる句ですね。
8 ひとひらの雪ひかりつつ舞うている
よほど冷え込んだひは雪の結晶が、きらきらと空中を舞うのです
言葉にも映像にもとどめておくことのできない美しい一瞬を、息を詰めて
見つめている作者の姿が、モノクロ画像のように目に浮かびます。