選句、選評お待たせしました
★ J次郎2 選 【2 8 23 28 30】
選評
2 大の字に一人寝ている夏座敷
涼しそうな座敷の感じが出ていると思います。
同趣の句もいくつかありますが、最初の印象が強かったので
8 まるまると生まれ来し子や合歓の花
赤ん坊が生まれたことと、合歓の花の間には
本当は、関係はありません。
しかし、赤ん坊に目をやり、そして窓を向いて ほら○○ちゃん、お外にはネムの花が
咲いてますよぉ おや、○○ちゃんもおネムですかぁ・・ この、視線の移動が、
無関係を関係づけているので それがおもしろく、また想像させるので○でした。
諸事情により、きっとこれは、うたこさんの句だと思います。
うたこさんの句だと思って選んだわけではありませんが。
23 送り火やふらつき痩せた茄子の馬
当季の一句のなかで、わびしさのある句だと思います。 ただ、「送り火」「茄子の馬」と
季語が重なっているのですが そんなことは、気にしません。
「痩せた」が写生で良い、と一票です。
28 夏座敷六本のすね毛並びおり
2とは逆に、なんとも暑苦しい座敷ですね。
面白さを、さらりとながしているので○にしました。
30 クツクツと厨を香らす天草や
他の句が、出来上がってしまっている心太を詠んでいるのに この句は、心太を作って
いるところを句にされました。 その写生とユニークさに一票です。
今回は、全体にひねった句が少なく
写生句のストレートさが目立ったようです。 ひねくった、考え落ちのような句が良い、とは
思いませんが 俳句の面白さは たった17文字のなかに、視点や視野の変化、思いの転換が
現されることだろうと、J次郎は考えます。
「子も孫も テレビに寄りて 暑座敷」(狭い家の夏座敷)
「寒天は、蜜をかけるぞ、ダイエット」(腹の太し、心の狭し)
★歌子選 【 1,2,19、23,28】
1.透き通るガラスが酸っぱいところてん
2 大の字に一人寝ている夏座敷
これは又、なんて気持ちよさそうだこと。大の字の句はほかにもありましたが、素直な
詠みかたに素直に反応しました。
19 サイレンに佇立する午(ひる)十五日
この日はあの日でした。平和を当たり前に思い、自分の身の忙しさにかまけていた自分に
はっとしながら、思わず黙祷しました。
23 送り火やふらつき痩せた茄子の馬
なんともいえない滑稽味と哀れな感じがあふれてきました。
俳句らしいいいい句だなあと思いました。
28 夏座敷六本のすね毛並びおり
帰省した息子さんたちとパパでしょうか・・・、男三人そろった様子を、六本のすねげと
表現するとはなんと言うインパクト。俳句初心者ってほんと~~~?
★法被衣選 【1,2,4,24、28】
1 透き通るガラスが酸っぱいところてん
ところてんの透明感が。ところで酢醤油と黒蜜のところてんは地方性があるのでしょうか?
ちなみに関東は酢醤油にカラシ入り。
2 大の字に一人寝ている夏座敷
寝ているのは自分なのか別人なのかでシーンが異なりますが、けだるい午後の感じが
伝わってきます。それにしても今回は大の字多いですね。
4 心太売り切れに泣く妻がいる
無いとなると、ところてんに未練が残ります。無性に食べたくなる時ってありますね~。
24 生返事話進まずところてん
どこか頼りげないところてんをすすりながらの会話。お腹も膨れたようなそうでない ような中途半端さがあります。
28 夏座敷六本のすね毛並びおり
五本のすね毛並びおり・・・とするとどうでしょう?片方は夏がけの下に埋もれて・・・。
06 昼食後手足のばして夏座敷
(仕事先の旧家で・・気持ち良くて頂きました。)
07 大の字に夢とあそんだ夏座敷
(海水浴から帰り、ごろり・・顔に畳の跡が残ってた。うつむせに寝る子供頃を
思い出し頂きました)14 夏座敷おやつの声に子等帰る (縁側からどこの襖等もあけっぱしで、近所の子供も
キリギリスのように集まり西瓜等食べた思い出とともに頂きました)
23 送り火やふらつき痩せた茄子の馬
(うーん。と唸る一句。頂きました)
27 一本で勝つのを見つつ心太
(一本勝ちにこだわった柔道。柔道の真髄を感じて頂きました)
★ かんな選 【3,8,21、24,29】
3 麦わら帽子転がる夏座敷
子供の頃おばあちゃんの家に遊びに行った時従姉妹の帽子が座敷の真ん中に無造作に
おいてあったのを思い出し懐かしくて選ばさせていただきました。
俳句でこんなに癒されたのは初めてです。すてきな一句をありがとうございました。
うん、うんと素直にうなづけました。
相手がテレビにでも夢中になって会話になっていない とりあえずところてんでも
食べようかな~そんな空気がこちらにも伝わってくるような気がします。
ほえましい一句ですね~。思わずプッと噴き出してしまいそうになりました
★ 島ちゃん選 【8,12,16,23、24】
8 まるまると生まれ来し子や合歓の花
未来に大きく咲く花でもありましょうか、喜びが伝わってきます。
暑い夏誰もいない家でのひとときを楽しんでいるんですね。
ふらつき痩せたというところが、厳粛な事をしているのになんとも言えず~惹かれました
24 生返事話進まずところてん ところ天はするする入るのに話しの内容には気乗りしていないということですね。
★木庭ちゃん選 【3.8.9.25.28】
重いので 番号だけで・・ お願いします
重いので 番号だけで・・ お願いします
3 8 9 25 28
★ しらべる選 【7,9,13,15,20】
○7 大の字に夢とあそんだ夏座敷
○9 ところてん遠くに遊ぶ子らの声
○13 寝転んで俳句をひねる夏座敷
○15 家事済まし後の楽しみところてん
○20 ところ天つるりと滑る口の端